2017 Fiscal Year Annual Research Report
術後肝障害に対するTLR4を標的にした予防治療法の開発
Project/Area Number |
17K10667
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅原 元 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00402587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梛野 正人 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20237564)
横山 幸浩 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80378091)
國料 俊男 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60378023)
山口 淳平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00566987)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | TLR4 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝切除術後に発生する肝障害は重篤化することも多く早急に解決しなければいけない課題である。TLR4は免疫反応や炎症の制御に関わる分子であるToll様受容体の1つである。グラム陰性菌の外膜の成分であるリポ多糖(LPS)やグラム陽性菌のペプチドグリカン層にあるリポテイコ酸をリガンドとして認識する受容体である。ラット肝障害モデルへのTLR4阻害剤投与は肝機能を改善させ、肝障害を軽減させる傾向があった。一方で細胞株に対するTLR4阻害剤の研究において、TLR4阻害剤には細胞の増殖抑制効果を認めた。 これまでの肝再生に関する研究において、肝障害時にTFF1(trefoil factor family1)の発現に変化が生じており、TFF1(trefoil factor family1)と胆管再生の関連性が示唆されている。われわれはTFF1(trefoil factor family1)をノックアウトしたマウスを作成しており、このTFF1をノックアウトしたマウスを用いてラット肝虚血・再潅流モデル、ラット胆管結紮による閉塞性黄疸モデル、CCl4(四塩化炭素)によるラット肝硬変モデルを作製した。ラット胆管結紮による閉塞性黄疸モデルでは、術後早期に死亡しており、正常マウス群と比較してTFF1のノックアウトマウス群での死亡率が高かった。また病理学的検討によりTFF1のノックアウトマウス群において胆管新生に抑制傾向を認めた。さらにTFF1のノックアウトマウス群の肝臓では有意に壊死組織の面積が多かった。CCl4(四塩化炭素)によるラット肝硬変モデルにおいて3か月の経過観察をおこなっているが、正常マウス群と比較して死亡率に関して特に差を認めなかった。
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