2019 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌間質における免疫担当細胞と化学療法感受性および癌悪性度の評価
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17K10668
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Research Institution | Osaka International Cancer Institute |
Principal Investigator |
西村 潤一 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 消化器外科副部長 (20379209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香山 尚子 大阪大学, 高等共創研究院, 准教授 (40548814)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 間質 / マクロファージ / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
異動による実験の遅れが生じていたが、平成31年4月1日より新たに実験助手が雇用され、大阪国際がんセンター研究所の連携研究員として登録され人員が補充された。大阪国際がんセンター研究所がん創薬部所有のBD LSRFortessaX-20 フローサイトメーターを使用し、大腸癌切除症例の癌部分の検体を採取し、細胞を単離、FACSによる解析が安定して開始できる状態となった。FACS抗体の制限からCD3、HLA-DR、CD163、CD11c、CD14および死細胞除去のためにFSV510を用いた。当院において切除予定の症例にICによる同意を得た後に手術によって切除された腸管の大腸癌部を切除後速やかに1cm角の検体を採取し、CollagenaseおよびDispase、DNAse存在下で振盪させることでマクロファージ、樹状細胞を含む細胞集団を単離化した。死細胞除去ののちにCD3陰性、HLA-DR陽性の細胞をCD14、CD11c、CD163で展開したところ、CD14陽性CD11c陽性細胞の比率が1.1%~10.1%と個体差を示すことが分かった。また、Th17細胞を誘導するCD163陰性CD11c陽性細胞の比率も5.25%~41.8%と症例によって比率が違うことが分かった。現在、これら差異と臨床病理学的因子との関連について解析中である。なお、FACSで解析した細胞集団を分離する方法について現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腸癌間質の細胞単離技術の確立は完了したが分離方法の確立に関して実験器具の問題もあり遅れが生じている。そのため分離したのちの機能解析が進んでない。
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Strategy for Future Research Activity |
異動に伴う実験環境の整備に時間を要したが、平成31年4月1日より新たに実験助手が雇用され、研究環境が整備されつつある。大腸癌間質の細胞単離する症例を増やし、臨床病理学的因子、非癌部のマクロファージの細胞比率と比較する。予後との関連や化学療法感受性との関連を検討することにより、免疫染色に使用する表面抗原マーカーを検討し、大腸癌切除検体を用いて多数例の免疫染色を行う方針である。大阪国際がんセンター研究所には新たにゲノム病理ユニットが創設され、免疫染色に関してサポートを得られる予定である。これらの状況から期間延長申請を行った。
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Causes of Carryover |
異動による研究環境の整備のために研究が滞る期間が生じたために次年度使用額が生じた。人員の補充などにより研究環境が整いつつあり、期間延長申請を行い計画している研究をすすめる方針である。
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