2019 Fiscal Year Annual Research Report
TSP-1 expression of hepatocellular carcinoma in recurrence and metastasis after hepatectomy: the mechanism and therapeutic strategy.
Project/Area Number |
17K10670
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
黒木 秀幸 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (50594876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 克憲 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (60555746)
東 孝暁 熊本大学, 病院, 医員 (70594878)
林 洋光 熊本大学, 病院, 助教 (80625773)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | TSP-1 / HCC / Hepatectomy / TGF-β / Sorafenib / p38 MAP kinase / SB203580 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常肝細胞と肝細胞癌(HCC)におけるTSP-1のタンパク発現量を比較するとHCCではTSP-1の発現が低下していた。8つHCC cell line(HepG2、HLF、SK HEP1、 HuH7、HuH1、PLC/PRF/5、HLE、Li7)からタンパクを抽出後、Western blottingを行い、定量的に評価を行い、TSP-1発現量からTSP-1高発現群とTSP-1低発現群の2群に分けた。高発現群としてHepG2を、低発現群としてPLC/PRF/5を選定した。この2群に対して、マルチキナーゼ阻害薬であるsorafenibを投与するといずれも濃度依存 的に増殖の抑制が見られたが、PLC/PRF/5に比較してHepG2で強い増殖抑制効果が認められた。投与するsorafenibの濃度は5μMで増殖抑制効果を発揮し、10μMでは増殖抑制効果は著変なかった。 TSP-1高発現のHCCに対してsorafenibが高い抗腫瘍効果を示すことが示唆された。 さらにTSP-1タンパク発現の上流に位置するp38 MAP kinaseに対する inhibitorであるSB203580に着目した。HepG2にsorafenibとともにSB203580を添加すると増殖能の上昇が見られた。すなわちTSP-1はHepG2の腫瘍増殖能に正に関与することが示唆された。 HepG2、PLC/PRF/5にsorafenibを作用下にrecombinant TSP-1を併せて投与したが、recombinant TSP-1投与なしの場合と比較して、増殖能差は認めなかった。 以上の結果から、TSP-1高発現のHCCに対して、sorafenibは強い抗腫瘍効果を有し、TSP-1の制御にはp38 MAP kinaseがターゲットになることが示唆された。
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