2018 Fiscal Year Research-status Report
Anti-tumor activity in LPS tolerance and development of new technology on clinical application of tolerance
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17K10682
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
守屋 智之 埼玉医科大学, 医学部, 客員准教授 (10531303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 順司 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (40342654)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 准教授 (70531391)
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 教授 (10449069)
青笹 季文 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 外科学, 准教授 (40649034) [Withdrawn]
野呂 拓史 獨協医科大学, 医学部, 講師 (10385346)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | LPSトレランス / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにマウスにLPSトレランスモデルを作製し、検討を行ってきた。LPSトレランスマウス及びコントロールマウスを開腹し、大腸癌株colon26を1,000個門脈内注射することで、大腸癌肝転移を起こすと、コントロール群に比べて、LPSトレランスマウスでは、大腸癌株colon26の門脈注射後1週間の時点で、腫瘍の増大が抑制されていること、これに関連してLPSトレランスマウスでは腫瘍注射後の生存期間が有意に延長していることを明らかとした。さらに肝での抗腫瘍活性の主役である単核球を両群のマウスから採取し、フローサイトメトリーで分画をみると、LPSトレランスマウスの肝ではNK(Natural killer) 細胞及びNKT細胞の割合が増加、これら細胞の機能をフローサイトメトリーでみたが、NK、NKT細胞ともPerforinやGranzyme Bの発現が増強していること、一方でNK細胞、NKT細胞とも細胞内IFN-γの発現は亢進しておらず、コントロールマウスと比較して低下していたことを明らかとした。2018年度はNK細胞、NKT細胞、CD11bマクロファージを各々sortingして、Colon26への細胞障害活性をカルセインを取り込ませた方法で検討した。Colon26はMHCI陽性のため、NKは細胞障害活性を示さないが、LPS preconditioningを導入するとKiller活性が認められた。またNKTのColon26への細胞障害活性もLPS preconditioningで増強していた。しかしながら、LPS preconditioningの主なターゲットであるCD11bマクロファージは抗腫瘍活性を示さなかった。LPS preconditioningによる抗腫瘍活性の増強は昨年の知見と一致して、NK,NKTの抗腫瘍活性増強によるものであることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「LPSトレランスによる肝臓の腫瘍効果を解明する」という命題に対して、その機序を実験的に明らかにしつつあること、学会発表でも評価を受け、論文作成にも取り掛かり始めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、実験を進め、LPSトレランスによる抗腫瘍効果の機序を明らかにする。今後、肝の組織学的検索および血液学的検索も行い、また脾臓の単核球における免疫担当細胞の分画も同様に検討する予定である。2019年度はさらに、肺転移モデルにおける抗腫瘍活性の検討も予定している。LPSトレランスモデルマウスを作製し、大腸癌株colon26を尾静脈から投与し、肺転移に対する抗腫瘍活性を検討する。予備実験において、colon26の尾静脈投与により肺転移モデルが作製できることを確認しており、肝臓同様Nano-lanternを用いて経時的に腫瘍の増殖抑制効果を観察する。肺転移モデルにおいても、生存期間を測定し、肝臓、脾臓及び末梢血等の単核球を採取して免疫担当細胞の分画やサイトカインを測定する。 最終的にはLPSトレランスの臨床応用を考えている。周術期管理としてLPSトレランスを使用し、担癌患者の転移抑制、予後の改善を目標としている。その点について実現可能か、臨床医と協議していきたい。
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Causes of Carryover |
本年度も、中心となる研究の下準備をおこなっていたため、費用負担が当初の予定より少なく済んだためである。今年度,主研究を行うため、費用負担が増加することが予想される。
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Research Products
(1 results)