2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction and clinical application of cancer visualization system using single-chain artificial antibody conjugated with green fluorescent protein
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17K10685
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 洋毅 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30422124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 竜太郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323103)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 緑色蛍光タンパク / 上皮増殖因子受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
上皮増殖因子受容体(EGFR)特異的抗体528IgGの可変領域のH鎖、L鎖をリンカーで結んだ528-scFvを作成し、これの抗体としての機能を確認したこのscFvに蛍光緑色蛋白質を結合したGFP-528scFvを作成した。528scFvおよびGFPそれぞれ単独での機能は確認できていたものの、リンカーで結合した場合の特異的な蛍光発色については確認できず、リンカーの長さや巻き戻し条件などを変えながら機能回復を図った。その結果、微弱ではあるもののEGFR発現腫瘍細胞に特異的に蛍光発色が確認できた。実際の進行膵胆道癌の手術切除標本の断端、剥離面などに528-scFvを塗布し、癌細胞の遺残の有無などについて病理組織結果と対比をパイロット的におこなったが、蛍光発色はきわめて弱く、正診率は低かった。また、マウスの腫瘍移植モデルにおける投与実験からは、実際の手術中に静注し、生体内で癌の分布や切除標本断端の癌細胞の有無を確認することは蛍光強度が低いため難しく、術中に応用することは難しいと思われた。 また、今後の臨床応用のために、ジアグノグリーン(ICG)と528scFvを化学的に結合し、in vitroでヒト血清を添加した状態で遠赤外線照射下に蛍光発色が確認された。こちらについてはヒト腫瘍細胞株培養液にICG-528scFvを添加し、遠赤外線カメラで暗視下に観察すると、腫瘍に一致した蛍光発色も確認できた。背部に腫瘍細胞を移植したマウスにおいて、ICG-528scFvを静注した後に蛍光発色を観察したが、発色はきわめて弱く、バックグラウンドとの明瞭な区別が難しく、腫瘍特異的な蛍光発色までは確認できなかった。腫瘍表面の皮膚などの厚みによりカメラでの検出限界があると思われ、高感度な遠赤外線カメラなどが利用出来ればこちらは解決出来る問題と思われた。また、投与量や投与後の観察時間などについてはさらなる条件設定が必要と思われた。
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