2017 Fiscal Year Research-status Report
膵癌の進展様式に基づいたバイオマーカー探索と前向き臨床試験による検証
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17K10689
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伴 大輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40376736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 秀一 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (20771827)
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
田邉 稔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50197513)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膵癌 / 局所進行切除不能膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
局所進行膵癌と転移を起こしやすい膵癌を区別しうる臨床病理学的因子の探索を行った。当院で2005年1月より2016年9月までに膵癌に対して根治的手術を施行し、臨床検体と研究に関する包括同意が得られている172例を対象にして後ろ向き観察研究を行った。局所限局性は病変が単発で6ヶ月以上局所にとどまり遠隔転移を発症しないことを条件としたところ、再発症例109例のうち局所限局性の再発経過をとった23例と106例を比較すると、それぞれの臨床病理学的背景について差はないが、再発時期に関しては差がないにもかかわらず、その後の生存期間は有意に局所限局群において長いという結果が得られた。これらは初回転移とそれに続く進展形式に異なる機序が働いている可能性を示唆するものと考えた。局所限局性を示すバイオマーカーの候補として、SMAD4、pSMAD2、RUNX3系、OPP系などが有用ではないかと考え免疫染色を行った。SMAD4で一部有用と考えられる知見を得たが、その他では有意な所見が得られなかった。また、長期遠隔転移後制御例を抽出し、エクソーム解析を行いパブリックデータとの照合を行い有意なバイオマーカー探索を行う予定である。平成29年度までで初回候補となる症例のエクソーム解析までを終了した。 切除不能局所進行膵癌(NCCN2016ガイドラインによる)に対してConversion Surgeryを企図する臨床試験(UMIN登録番号:000023217)を平成28年9月より行っている。現在(H30年3月)までに11例が登録されており、当初の予定より症例集積が遅れているが、本研究に必要な症例を20例程度と見込んでおり集積次第解析を行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの膵癌切除症例に関する後ろ向き観察研究、臨床病理学的検討、および臨床検体を用いて行う免疫組織学的に検討に関しては予定通り進行し、一定の成果が得られたと考えている。 一方で、切除不能局所進行膵癌(NCCN2016ガイドラインによる)に対してConversion Surgeryを企図する臨床試験(UMIN登録番号:000023217)を平成28年9月より行っている。当初の計画では本前向き研究の症例の局所進行性の臨床情報と病理検体とを照合して検討を行いたいと考えていたが、当初の予定より症例集積が遅れている。現在(H30年3月)までに11例が登録されており、本研究に必要な症例を20例程度と見込むと、H30年度内になんとか集積を終えられるかどうかという進捗である。 それまでに既検体で局所進行性の候補のバイオマーカーを選定しなるべく早い段階で上記計画に移行したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に行った検討を継続する。よりバイオマーカーの探索範囲を化学療法感受性マーカー(hENT、HuR、TS、DPD、SPARC)についても検討を加え、我々が報告したDCLK1についても検討を加えていきたい。 また、エクソーム解析を行った症例について、パブリックデータとの照合解析を行って得られて知見を基に解析計画を立てていきたいと考えている。 他、前述と繰り返しになるが切除不能局所進行膵癌に関する前向き臨床試験の進捗を待って推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度の実験計画において、前向きの臨床研究が想定してよりも症例集積が遅れているため、予定していた臨床検体の実験が後回しになっている。しかし、他のバイオマーカー探索も今後行っていく予定であり、今年度に行われる実験で必要経費として使用される見込みである。
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Research Products
(18 results)