2018 Fiscal Year Research-status Report
膵癌神経浸潤を中心とした癌微小環境における脂質合成・代謝機構の解析
Project/Area Number |
17K10694
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
森田 剛文 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60464129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 孝宣 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (70313955)
平出 貴乗 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (70780386)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膵癌 / 神経浸潤 / DRG / Tenascin C |
Outline of Annual Research Achievements |
1日齢の新生児マウスからDRGを採取し、安定して培養することに成功した。マウスDRGの培養上清を回収し、膵癌細胞株(MIA PaCa-2,BxPC-3,Panc-1)に添加した。MIA PaCa-2では細胞増殖が活性化されたが、BxPC-3,Panc-1では細胞増殖に変化を認めなかった。また、MIA PaCa-2では遊走能も亢進することが明らかとなった。マウスDGRと膵癌細胞株を共培養することによって、浸潤能も亢進することが明らかとなった。ヒト膵癌組織の免疫組織染色を行い、神経周囲浸潤に関与する因子としてTenascin Cを見いだした。Tenascin C高発現群と低発現群の臨床病理学的因子を比較したところ、Tenascin C高発現群では局所再発を起こす頻度が高く、手術後の無再発生存期間ならびに全生存期間は有意に短かった。Tenascin Cを添加した状態でマウスDGRと膵癌細胞株を共培養すると、神経線維の伸張・癌細胞の浸潤ともに亢進し、相互親和性が増していた。以上の内容をまとめ、現在論文投稿中である。 また、膵癌細胞株にマウスDGRの培養上清を添加し、その後膵癌細胞株から脂質を抽出した。脂質の網羅的解析を行い、リン脂質の組成が変化していることを見いだした。現在、責任遺伝子の同定を行っている。 また、膵癌細胞株にマウスDGRの培養上清を添加し、抽出したDNAを用いてNGS解析を行った。現在、網羅的遺伝子解析の結果を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研費申請時点での研究計画書では、平成29年度に①DRGと膵癌細胞株(Miapaca-2、Panc-1)を共培養し、遊走能や浸潤能を解析する。②回収したDRG培養上清 添加による膵癌細胞株の増殖能や細胞周期などの変化を解析する予定となっていた。①、②ともに実験を行い、予想された結果が出た。平成30年度には、神経浸潤に関わる因子としてTenascin Cを見いだした。これらの結果をまとめ、現在論文投稿中であるため、計画は概ね順調に経過していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在投稿中の論文の査読結果によって、追加実験を行う予定である。
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