2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of therapeutic strategy of pancreatic cancer by inhibition of both STAT1/Shh signaling pathways targeting pancreatic cancer stem cell
Project/Area Number |
17K10698
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今泉 晃 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30624051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
中野 賢二 福岡大学, 医学部, 教授 (00315061) [Withdrawn]
永井 俊太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (90755240)
山崎 章生 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80404440)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膵癌幹細胞 / STAT1 / Shh / Hedgehogシグナル / CD24 / 増殖 / 浸潤 / 腫瘍形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、細胞レベルでの治療標的機能の同定を行った。膵癌細胞株(AsPC-1、SUIT-2、Panc-1、CFPAC-1)を標的として、CD24分子の導入(plasmid)および阻害(siRNA)により、増殖能、浸潤能の変化を解析した。CD24発現の高いSUIT-2細胞はCD24 siRNA導入により、約80%のCD24抑制が認められた。一方CD24発現の低いASPC-1細胞はCD24 plasmid導入により約60%のCD24発現が認められるようになった。増殖能の検定では、CD24の抑制、強制発現共に影響が認められなかった。一方、浸潤能の検定では、CD24抑制により有意な浸潤能低下が認められ、CD24発現亢進により有意な浸潤能の増強が認められた。次にHedgehogシグナルとの連関解析では、CD24抑制によりShh発現の低下が認められ、CD24発現亢進によりShhの発現増強が認められた。CD24とShhの間に介在する転写因子としてSTAT1を想定し、STAT1およびpSTAT1の蛋白発現解析をwestern blot法で行ったが、一定の結果が未だ得られておらず、再現実験を繰り返しているところである。膵組織におけるCD24、STAT1、Hedgehogシグナル関連分子発現の免疫組織染色法では、数例の解析を終了し、全例でCD24、STAT1、Hedgehogシグナル関連分子発現が認められた。今後は症例を増やし、さらに慢性膵炎、PanIN、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)についても解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STAT1、pSTAT1の発現解析では再現性が得られず、実験を繰り返しているが、細胞レベルでの治療標的機能はある程度、同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
膵組織を用いたCD24、STAT1、Hedgehogシグナル関連分子発現の免疫組織染色の症例を増やし、また、慢性膵炎、PanIN、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)についても解析を行っていく。さらに、STAT1/Shh経路を制御する2次的膵癌特異的経路を同定し、膵癌治療への応用を検討する。さらには、免疫不全マウスを用いて、治療法の検証まで行いたい。
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Causes of Carryover |
膵組織におけるCD24、STAT1、Hhシグナル関連分子発現プロファイルの作成が不十分であること、また、STAT1の関与がいまだ再現性がなくはっきりしないことより、STAT1/Shh経路を制御する2次的膵癌特異的経路の探索がまだ行われておらず、その分の研究費用が次年度使用額となる。今年度は、それらを重点的に行うと共に、免疫不全マウスを用いた知慮実験を行い、STAT1/Shh両シグナル阻害の有効性を検証していきたい。
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Research Products
(3 results)