2017 Fiscal Year Research-status Report
星細胞活性化分子を軸とした新規膵疾患治療標的分子の確立
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17K10713
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
雷 小峰 昭和大学, 医学部, 普通研究生 (00595069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 朱里 昭和大学, 医学部, 准教授 (10338535)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膵癌 / 膵星細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は悪性新生物の中で最も治療成績不良な難治性悪性腫瘍の代表であり、本邦における膵癌死亡者数は毎年約2 万人以上おり、罹患率は更に増加傾向にある。また膵癌やその危険因子の一つである慢性膵炎の共通素因として現在、膵線維化の重要性が注目されている。申請者は、肝線維化発症時にその中心的役割を担う肝星細胞活性化制御分子としてHic-5(別名TGF-β1i1) を同定した。さらに近年、Hic-5 の膵線維化発症への関与を見出したことから、本研究では慢性膵炎や膵癌発症におけるHic-5 の機能に着目し解析を行う。その結果から、Hic-5 が膵癌を始めとする膵疾患の新規創薬ターゲットとなり得る分子であるか最終判断し、積極的な膵疾患創薬シーズの開発に必須の分子基盤を確立することを目的とする。平成29 年度では、①Hic-5 欠損によるマウス慢性膵炎発症抑制効果評価、慢性膵炎マウスモデルでは野生型と比較してHic-5 欠損マウスで腺房細胞脱落及び間質線維化が顕著に抑制されることが判明した。また臓器内のタンパク質量を解析したところ、Hic-5 欠損マウスでは線維化マーカーであるαSMA 及びコラーゲンの量が顕著に減少していた。RT-PCR, ウエスタンブロット,免疫染色法を用いて膵細胞損傷度、炎症性因子の産生量と線維化程度を指標に慢性膵炎の進行度を詳細に評価したところ、Hic-5 欠損マウスでは顕著に抑制された。②Hic-5 欠損膵癌モデルマウスの作製と表現型解析を行った。Ptf1acre/+; LSL-KrasG12D/+; Tgfbr2flox/flox (PKT) mice を用いて膵癌発症過程へのHic-5 関与を検討したところ、Hic-5 欠損PKTマウスでは膵癌発症が抑制されたことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに本研究課題が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
到達目標 ・PSC 内のHic-5 発現誘導メカニズムの解析 ・マウス/ヒト膵臓由来Hic-5 欠損/抑制PSC を用いた活性化形質変化の検討 ・Hic-5 によるPSC 活性化制御メカニズムの解析
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The impact of stromal Hic-5 on the tumorigenesis of colorectal cancer through lysyl oxidase induction and stromal remodeling.2018
Author(s)
Omoto T, Kim-Kaneyama JR, Lei XF, Orimo A, Ohnishi K, Yoshihara K, Miyauchi A, Li S, Gao L, Umemoto T, Tanaka J, Nakahara K, Takeya M, Ishida F, Kudo SE, Haraguchi S, Miyazaki T, Miyazaki A.
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Journal Title
Oncogene
Volume: 37(9)
Pages: 1205-1219
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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