2018 Fiscal Year Research-status Report
星細胞活性化分子を軸とした新規膵疾患治療標的分子の確立
Project/Area Number |
17K10713
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
雷 小峰 昭和大学, 医学部, その他 (00595069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 朱里 昭和大学, 医学部, 准教授 (10338535)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性膵炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵線維化は慢性膵炎, 膵癌のリスクファクターであることや, 膵星細胞(PSC)が膵線維化において中心的役割を担っていることが明らかにされている. 我々は以前,肝線維化発症時にその中心的役割を担う肝星細胞活性化制御分子としてH2O2-inducible Clone 5 (Hic-5) を同定した. 本研究では慢性膵炎発症におけるHic-5の機能に着目し解析を行った. まずヒト及びマウス膵臓サンプルを用いて解析したところ, 正常膵臓組織と比較し膵炎組織ではHic-5の発現が増加していることが判明した. さらに, 二重蛍光免疫染色法でHic-5は膵臓間質にあるPSCに発現していることを同定した. またHic-5欠損マウスを用いて組織レベル, タンパク質レベルで病態の進行度を比較したところ, Hic-5欠損マウスでは慢性膵炎の進行が著明に抑制されることが明らかとなった. さらにマウスより分離培養したPSCにおいても, Hic-5欠損によりPSCの活性化を著明に抑制できた. このPSCの活性化抑制は,ヒトPSCを用いたHic-5 発現抑制系でも同様に効果が見られた. 現在その詳細なメカニズムについて, Hic-5 がTGF-β/Smad2 経路を活性化することによりPSCの活性化と膵臓線維化を誘導している推測で実験を進めています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画書通りに進んでいます
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Strategy for Future Research Activity |
マウス/ヒト膵臓由来の膵星細胞(PSC)を用いてHic-5によるPSC活性化制御メカニズムを解析する予定。Hic-5がTGF-βシグナル下流の一分子としてTGF-βシグナル抑制分子Smad7の発現を抑制することが証明されている。また、Hic-5 がTGF-β/Smad2 経路を活性化することによりPSCの活性化と膵臓線維化を誘導している結果を見出しており、今後この結果の再現性及びさらに詳細なメカニズムを解析する予定です。
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Causes of Carryover |
マウス肝臓から肝臓星細胞の単離経験があるため、膵臓星細胞を単離した際に、消耗品と機器費用が予想より減少した。またメカニズムの解析では予想と同様な結果が得られたため、考えた他のメカニズム実験を実施していなかった。その代わり次年度の予定では詳細なメカニズム解析では、資金を使用する予定。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Toll‐Like Receptor 9 Plays a Pivotal Role in Angiotensin II?Induced Atherosclerosis2019
Author(s)
Fukuda D, Nishimoto S, Aini K, Tanaka A, Nishiguchi T, Kim-Kaneyama JR, Lei XF, Masuda K, Naruto T, Tanaka K, Higashikuni Y, Hirata Y, Yagi , Kusunose K, Yamada H, Soeki T, Imoto I, Akasaka T, Shimabukuro M, Sata M
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Journal Title
Journal of the American Heart Association
Volume: 8
Pages: e010860
DOI
Peer Reviewed / Open Access