2018 Fiscal Year Research-status Report
重症虚血肢患者の背景疾患に着目した幹細胞プレコンディショニング法の開発
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17K10731
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
桂 春作 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40457304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐村 誠 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (30773402)
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血管新生療法 / 末梢血単核球 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまでにマウス下肢虚血モデルを用いて、低酸素プレコンディショニング法により機能賦活化した末梢血単核球の血管新生能を報告している。これまでの末梢血単核球移植による血管新生を誘導する機序としては、末梢血単核球が分泌する成長因子、特に、PDGF-BB、TGF-beta1が作用することを見出しており、低酸素プレコンディショニング法は、末梢血単核球が分泌するこれらの成長因子の分泌量を亢進する。 これまでの細胞移植による血管新生を誘導する治療効果は、移植細胞が分泌する成長因子が、生体に存在する血管内皮細胞の細胞増殖等を誘導することによりもたらされるパラクライン効果であることが多くの研究から報告されている。また、近年、パラクライン効果の一つとして、移植細胞が分泌するエクソソームと呼ばれる、脂質二重膜の直径20~120nmの膜小胞が報告されている。このエクソソームは、核酸、および、成長因子などのタンパクが内包されている。 そこで、本年度は、健常者ヒト末梢血単核球が分泌する成長因子および、エクソソームに内包されている成長因子の濃度を解析した。 ヒト末梢血単核球を3日間培養した培養上清およびエクソソームに内包されている成長因子の中で、VEGF、HGF、bFGF、SDF1-alphaは検出されなかった。培養上清中のAngiopoietin-1は約800 pg/mLで、エクソソームに内包されているAngiopoietin-1は約180 pg/mLであった。また、培養上清中のTGF-beta1は約2800 pg/mLで、エクソソームに内包されているTGF-beta1は約80 pg/mLであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト末梢血単核球の解析方法を確立したため。
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Strategy for Future Research Activity |
患者由来の末梢血単核球を用いて、低酸素プレコンディショニング法の効果を解析していく予定である。
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Causes of Carryover |
ELISAキット1つを購入しなかったために、次年度使用額が生じた。この次年度使用額はELISAキットの購入費に使用する予定である。
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