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2017 Fiscal Year Research-status Report

静脈グラフトにおけるプロスタノイド受容体の発現とポジティブ・リモデリングの誘導

Research Project

Project/Area Number 17K10766
Research InstitutionTokyo Medical University

Principal Investigator

西部 俊哉  東京医科大学, 医学部, 教授 (10261306)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords静脈グラフト / プロスタノイド受容体
Outline of Annual Research Achievements

動脈・静脈グラフトを使用した研究ではプロスタノイド誘導体が新生内膜肥厚を始めとするグラフト不全を予防することが報告されているが、その作用機序は未だ明らかになっていない。そこで、われわれはプロスタノイド受容体に関する発生学的な知見に基づいて、「血管リモデリングの過程で成熟型から幼若型に脱分化した血管平滑筋細胞にプロスタノイド受容体が発現しており、プロスタノイド誘導体が動脈・静脈グラフトのポジティブ・リモデリングを誘導する」と仮説を立て、本研究の目的はその仮説を動物モデルにより証明することである。
自家静脈グラフト採取の際、グラフト壁では細胞増殖、細胞死、細胞遊走および細胞外マトリックスの産生・分解をきたすような血管構築の変化(血管リモデリング)が起きることが知られている。また、血管平滑筋細胞は成熟型から幼若型へ脱分化して、その結果として血管平滑筋細胞が増殖したり膠原線維の産生が促進されたりして新生内膜肥厚を生ずることが示されている。一方、われわれは血管平滑筋細胞に分化や脱分化に伴ってプロスタノイド受容体の発現が変化することが明らかにしており、自家静脈グラフトにおいては逆に血管平滑筋細胞の脱分化に伴ってプロスタノイド受容体の発現が変化することが予想される。
ラット自家静脈移植動物モデルを作成し、○1 Real-Time Quantitative PCRによる各種プロスタノイド受容体mRNAの定量、○2 SDS-PAGE 及びSemi-quantitative Western Blotting法によるプロスタノイド受容体タンパク質の定量、○3二重免疫染色によるプロスタノイド受容体の局在の同定を行い、自家静脈グラフトにおけるプロスタノイド受容体の発現をみる。その後、プロスタグランジンE1誘導体やプロスタグランジンI2誘導体を投与して自家静脈グラフトのリモデリングの変化を調べる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成29年度はラットを使用して自家静脈移植動物モデルの作成し、以下の方法でRT-PCRによるEP2受容体mRNAの測定を行った。
RTにはSuperScript Ⅱ(Invitrogen)を使用し、PCRにはAmpliTaq Gold(Applied Biosystems Japan)を使用した。RT及びPCR反応はGeneAmp PCR system 2400 (Applied Biosystems Japan)により行った。EP2のprimerを使用した。PCR産物は2% Nu Sieve agarose gelにて電気泳動し、単一バンドであることを確認して、これを切り出しSuprec-01(Takara Bio Co. Ltd.)を併用したエタノール沈降法にてcDNAを抽出した。精製したcDNAの濃度を測定し、これをReal-Time Quantitive PCRに際しての標準曲線に使用した。
Real-Time Quantitative PCRはTaqMan probe法にて行った。TaqMan Universal PCR Master Mix (Applied Biosystems) を使用し、Prism 7000 (Applied Biosystems Japan)にて測定した。
EP2のtranscriptional levelはコントロールに比較して、第1日目0.6倍、1日目0.6倍、4日目3.9倍、7日目1.4倍、4日目2.6倍、4日目3.9倍、14日目2.6倍、28日目2,2倍に変化しており、4、14、28日目で1日目より有意に上昇していた。この結果から、静脈グラフトでは血管新生を促進するEP4のようなプロスタノイド受容体のmRNAの発現が亢進していることが証明された。

Strategy for Future Research Activity

次年度は研究計画書の方法に従って、凍結してあるサンプルを使用してIP2のmRNAの測定を行う。同時にEP4、IPのたんぱく質の定量を行う。

Causes of Carryover

本年度は他研究で使用した消耗品を使用することが可能であったので、消耗品の購入が計画より少額になったため、残額を次年度の予算に編入した。残額はタンパク質測定に関わる消耗品費、測定機器(50万円未満)の購入に当てる予定である。

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Published: 2018-12-17  

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