2020 Fiscal Year Research-status Report
血管平滑筋細胞におけるTGFβとPKCδによる動脈瘤発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
17K10767
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
神谷 健太郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (00377558)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動脈瘤 / TGFβ / PKCδ |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞増殖・分化を制御し、細胞死を促すことが知られているサイトカイン(細胞の働きを調節する分泌性蛋白の一種)の一つで,遺伝性動脈瘤にも関与していると考えられているシグナル伝達物質TGFβ(transfoming growth factor beta)や,弾性繊維などの細胞骨格合成を司るダンパク質合成に関与すると考えられているPKCδ(protein kinase C delta)などと測定,発現などをより明確にすることにより,大動脈瘤の発生メカニズムの解明について研究している. 基礎分野研究では,in vitroのTGFβとPKCδの発現,定量解析は,実験室や実験人員の問題のため,思うようには進んではいない. 臨床分野研究では,治療には直接影響しない手術検体サンプルからのTGFβやPKCδの発現や定量を検出し,その患者の治療成績データとの関係についても検討する
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
このコロナ禍により,研究者本人をはじめ大学で研究,医療業務は機能していない状態が継続している.現在もある程度は改善しているが十分に日常の状態には戻ってない. 基礎研究では,細胞サンプル確保,染色等の技術的問題もあり,細胞レベルでの実験は進んでいない,また,コロナ禍のため大学内での相互協力体制の寸断も困難に拍車をかけている. 臨床研究では,古典的な治療である直接的な外科手術によりサンプルを採取する予定ではあったが,現在標準術式の進歩により,術式が大きく変更しており,ステントグラフトを利用したカテーテル治療が多く,直接サンプルの入手が困難な状態である.さらに,コロナ禍にうより外科手術自体も停止している時期もあった.
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで大学や病院機能は十分に改善していないが,研究を推進していく. 基礎実験として,cell lineを利用した実験や,実際の動脈瘤サンプルか採取した細胞実験は,時間的や人員的に基礎実験分野の実験は困難と考える. 臨床分野の実験では,標準的術式の大きな変更により,直接の動脈サンプルは困難のため,非侵襲検査を付随し,CT画像などと組み合わせ,TGFβやPKCδの定量 と組み合わせて検討していきたい.
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Causes of Carryover |
予定と比較して研究の実施が遅れているため,経費の一部が必要とならなかった.また,コロナ禍により研究自体も進まず,学会の中止などにより,経費が予定より不要であった.今後研究が進むにつれて,各費用が再度必要になると考える.特に,外注に出す検査に対して,必要になると考える.
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