2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K10780
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
五十嵐 知之 滋賀医科大学, 医学部, その他 (00510314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 晃治 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (10452244)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺がん / 免疫チェックポイント / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
肺扁平上皮がん細胞株(LK-2、EBC-1)にIFN-γを濃度別に添加し、IFN-γ用量依存性に肺がん細胞のPD-L1発現が上昇することをフローサイトメトリーで確認した。また同細胞株のPD-L1(cDNA)の発現がIFN-γ添加により増加し、IFN-γ除去により減少することをRT-PCRを用いて確認した。さらに2008年~2012年の肺扁平上皮がん手術切除検体77例を用いて、肺がん組織のPD-L1とMHC-class Iの発現、さらには腫瘍微小環境のCD8陽性リンパ球について免疫組織染色を行い、MHC-class Iの発現と肺がん組織におけるPD-L1の発現が相関することを示し、かつPD-L1発現とCD8陽性リンパ球浸潤の相関も示した。このことは、MHC-class Iを発現している肺がんはCD8陽性細胞が放出するINF-γによってPD-L1発現が制御されている可能性を示唆した。 2008年~2014年の早期非小細胞肺がん(ステージIA,IB)切除検体105例を用いて、PD-L1抗体による免疫組織染色を行った。PD-L1の染色強度を半定量的に測定し、PD-L1の発現強度と肺癌臨床病理学的特徴のうち、分化度と関連することを示した。早期肺癌術後再発は、PD-L1が高い群で有意に少ないことを示した。免疫細胞が放出するIFN-γとの接触でPD-L1が発現することがすでに示されており、このことからPD-L1が発現している肺がん細胞ほど免疫細胞との接触が高率であることが予想され、そのため無再発生存期間が延長すると考えられ、PD-L1の発現がバイオマーカーになりうる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に計画した①非小細胞肺がん(扁平上皮がん)のMHC-class I分子とPD-L1発現の関連、さらにはCD8陽性リンパ球浸潤との相関、②ヒト非小細胞肺がん細胞株におけるIFN-γとPD-L1発現の相関をフローサイトメトリー、RT-PCR、77例の肺扁平上皮がん手術検体の免疫組織染色を用いて示した。また105例の非小細胞肺がん(腺がん)手術検体を用いて、PD-L1の免疫組織染色と臨床日理学的因子、無再発生存期間との関連を示した。CD4陽性細胞、Foxp3陽性細胞とPD-L1発現の関連は検討できてない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は予定通り担がんマウスモデルを用いて、がん細胞のMHC-class I発現、PD-L1発現、腫瘍浸潤リンパ球の頻度を検討する予定である。
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