2017 Fiscal Year Research-status Report
The elucidation of the novel therapy specific for lung cancer targeting Arf6-induced EMT
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17K10781
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
毛受 暁史 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (30527081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園部 誠 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00432378)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | EMT / EGFR / 肺腺癌 / 浸潤転移 / 予後不良 / GEP100 / Arf6 / Grb2 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、肺腺癌臨床検体256切除例において、EMT活性化と臨床病理学的な特徴およびEGFRやp53を含む主要な遺伝子異常との相関を検討出来、以下の成果を得て、論文化することができた。 我々は、上皮型及び間葉型の主なマーカーであるE-cadherinとVimentinの発現量を免疫染色によって、確認することで、各腫瘍におけるEMT活性化レベルを解析した。結果、このEMTメカニズムが活性化するにつれて、主腫瘍原発巣におけるリンパ管や脈管浸潤が亢進し、リンパ節転移発生ハザード比が約8倍と高くなり、結果的に無病再発リスクや死亡リスク比も約3倍亢進し、予後不良となることを統計学的に示した。さらに組織亜分類とEMT活性化との相関も示し、一般的に低分化で予後不良と考えられる群においてはEMTが活性化していることを報告した。 また、256例におけるEGFRやKras、ALK、p53などの遺伝子異常を解析することで、遺伝子異常とEMT活性化との相関について検討した。 その結果、EGFR遺伝子変異は、EMT活性化との間に、負の相関がみられたが、同変異により、リンパ節転移や死亡リスクは亢進することを示した。このことは、EGFR遺伝子変異を有する腺癌においてEMT活性化が起こった際には、よりリンパ節転移や予後悪化に影響を受けやすいことを示しており、臨床的に観察される症例とよく合致していることが報告できた。 これらの結果、EGFR遺伝子変異肺腺癌において、GEP100-Arf6経路の活性化及びEMT活性化が起こっているかどうかを検討する必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺腺癌においてEMT活性化が臨床的にも浸潤転移や予後と深く関わるメカニズムであることを報告できた。またEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌においてEMT活性化が起こりにくい理由については、今後の検討課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
外的刺激によってEMT活性化を起こすEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌において、Grb2-GEP100-Arf6が恒常的に活性化しているのかどうか、またこれらの経路を阻害することにより、EMT活性化を抑制でき、浸潤転移能の阻害も可能かどうかを検証する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Clinicopathologic significance of epithelio-mesenchymal transition in human lung adenocarcinomas: an integrative analysis, inclusive of genetic alterations, on 256 surgically resected cases2017
Author(s)
Toshi Menju, Terumasa Sowa, Makoto Sonobe, Ryo Miyata, Koji Takahashi, Shigeto Nishikawa, Takao Nakanishi, Shinya Neri1, Hiroyuki Cho1, Masatsugu Hamaji, Kyoko Hijiya, Hideki Motoyama, Akihiro Aoyama, Toyofumi F. Chen-Yoshikawa, Toshihiko Sato, Akihiko Yoshizawa, Hironori Haga, Hiroshi Date
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Journal Title
Cancer Treatment and Research Communications
Volume: 12
Pages: 62-68
Peer Reviewed / Open Access
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