2017 Fiscal Year Research-status Report
Novel lung preservation technique for organ donor with broad atelectasis
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17K10785
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部) |
Principal Investigator |
三好 健太郎 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター(臨床研究部), 呼吸器外科医師 (50534773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大藤 剛宏 岡山大学, 大学病院, 教授 (40452578)
杉本 誠一郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (40570148)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺移植 / 無気肺 / ドナー肺摘出法 |
Outline of Annual Research Achievements |
無気肺を有するドナー肺に対する新しい肺保護的保存法の開発を目的とした本研究において、本年度は、新規保存法を検証するために用いる無気肺動物実験モデルの作成を行った。20-30kgのブタに全身麻酔を施したのち、左開胸し、生理食塩水を注入することで左肺を受動性無気肺に至らしめるモデルを考案した。さらに再換気後の肺障害(肺水腫)が生じる至適な侵襲負荷時間を検討するために、この状態で6時間、12時間、24時間、36時間おいた無気肺モデル群をそれぞれ作成して、設定した無気肺侵襲後に再度開胸し、無気肺解除後の肺の状態を確認した。ガス交換能、肉眼的所見、乾湿重量比、組織学的所見についてデータを採取して検討した。その結果、6時間、12時間無気肺群では無気肺にともなう障害が軽度であり、また36時間では、無気肺解除が不能な程度に肺の障害が著しく、その後に予定している移植実験による評価に耐えられない所見であった。以上より24時間無気肺曝露が、最もその後の保存、移植後評価を行う上で必要十分な侵襲であることが判明した。当初、無気肺ドナーブタの作成〜肺移植まで1例につき一日中で終了する実験内容を想定していたが、以上の結果より1例につき2日間にわたる実験内容とする変更をおこなうこととした。次年度は上記の無気肺モデルを用いて大動脈クロスクランプ後(心停止後)肺のrecruitementと摘出が無気肺を呈したドナー肺に対する保護的効果があるかを検証する実験を継続して行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたとおり、初年度で研究A(無気肺モデルの作成)を実施し、完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、作成したブタ無気肺モデルを利用し、肺移植実験を行う。無気肺ドナーブタより従来法で摘出し保存した後に移植を行う群と、新規法(大動脈遮断先行法)で摘出し保存した後に移植を行う群について、移植肺の機能の評価を行い、新規法の移植肺に対する保護的効果についてデータを収集する。以上の内容は当初計画していた内容に概ねそうものである。
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Causes of Carryover |
今年度の実験は予備実験であり、他実験目的で購入したブタを使用し、既存の研究室にある在庫薬等を使用して研究モデル作成を行った。次年度からは当初予定していた本実験を開始予定であり、移植手術の技術的学習に必要な実験動物や試薬を含めて物品の購入が必要となる予定である。
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