2019 Fiscal Year Annual Research Report
Novel lung preservation technique for organ donor with broad atelectasis
Project/Area Number |
17K10785
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三好 健太郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (50534773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大藤 剛宏 岡山大学, 大学病院, 教授 (40452578)
杉本 誠一郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (40570148)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺移植 / 無気肺 / ドナー肺摘出法 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳死ドナーが臓器提供に至る過程においてしばしば生じる無気肺は移植後早期肺機能障害の一因となりうる。通常の摘出手術においては、循環下に無気肺を解除(Circulatory lung recruitment, CLR)しグラフト機能を評価した後に循環停止,肺保存液還流,臓器摘出という手順がとられている。この際、循環下に再膨張させることが肺を障害している可能性がある。我々は、循環停止ののちに無気肺の解除を行うAcirculatory lung recruitment (ALR)を採用することで脳死コンディションにおける無気肺再潅流による負荷が回避され、グラフトの障害を軽減し得ると仮説を立て、ブタ肺移植モデルを用いてCLR法(従来法)とALR法を比較した。 無気肺ドナーとして移植24時間前にドナー左主気管支を遮断し左肺を完全無気肺とするモデルを作成し、ドナーを摘出手技によって以下の3群に分類した。1.従来法に沿って循環下に無気肺解除を行うCLR群(n=5),2.大動脈クロスクランプ後に無気肺解除を行ったのち保存液還流するALR 群(n=5)、3.対照群として健常ドナー肺を従来法で摘出するNon AT群 (n=3)。各群とも同一手技、虚血時間設定でレシピエントに左片肺移植を行い、移植肺機能を評価し比較した。 移植後のPaO2/FiO2比はALR群がCLR群より有意に高く推移した(p=0.015)。組織学的には間質の肥厚や炎症細胞の浸潤所見においCLR群がより重度であった。乾湿重量比はCLR群7.52±0.40g、ALR群7.09±0.54g、No-AT群6.51±0.16gと、CLR群-No-AT群間で有意差認めた(p=0.041)。 移植肺摘出手術において循環停止後の無気肺解除手技は従来法と比較して臓器保護的であると考えられた。
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Research Products
(1 results)