2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of CSC-specific markers for non-small cell lung cancer and development of lung cancer root therapy
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17K10787
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
劉 大革 香川大学, 医学部, 助教 (30314941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 正樹 香川大学, 医学部, 教授 (30322267)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非小細胞肺癌 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行期肺癌の治療の主体は化学療法であるが,治療成績は未だ不良であり,進行期肺癌に対する新たな治療法の開発が急務である.近年、癌幹細胞(CSC; cancer stem cell)の概念が導入されたことで、癌の発生、転移、再発の機構に関する理解が進んできて、治療標的に対する考え方も変わった。腫瘍の排除と再発の防止には癌幹細胞の根絶が必須であり、癌幹細胞は癌治療の重要な標的となっている。現在,癌細胞株や臨床材料(生検材料,手術摘出標本など)を使用し癌幹細胞を分離するのが一般的である.しかし,実際には細胞株や臨床材料における癌幹細胞の数は10%以下とされ,これらの材料から癌幹細胞を確立することは成功率が低く,困難である.さらに,癌幹細胞のみを単離する簡便な方法はなく,正常幹細胞の分離・濃縮方法としてこれまでに開発され発展してきた技術により,肺癌幹細胞に特異的なマーカーがなく肺癌幹細胞株の樹立が未だ満足できるレベルに達していない。本研究により,TGF-βとTNF-αによるEMT誘導で本来癌幹細胞の同定・分離の困難な非小細胞肺癌に対する癌幹細胞株の確立が短期間かつ高い効率的にできると期待できる.また,人工で合成した癌幹細胞(induction Cancer Stem Cell(iCSC)等)に比べ,本研究では癌細胞初期培養に基づくEMT作用より,癌細胞から逆戻った癌幹細胞は,癌の元特徴が消失することがなく,より正確に肺癌性格を反映できる.確立した癌幹細胞株を他分野の研究者に提供することもでき,癌幹細胞の制御機構の解明を加速させる.また,本研究の成果は,肺癌だけでなく,消化器癌や婦人科癌など多くの癌腫に応用でき,癌の発生や転移への理解を深め,新規癌治療法の開発に貢献することができる.
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