2017 Fiscal Year Research-status Report
慢性炎症・線維化に着目した肺癌悪性度獲得メカニズムの解明と新規治療への応用
Project/Area Number |
17K10793
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
庄司 文裕 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90444851)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊川 剛二 九州大学, 大学病院, 助教 (30627261)
岡本 龍郎 大分大学, 医学部, 准教授 (80568626)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 間質性肺炎合併肺癌 / 炎症性サイトカイン / 繊維化サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
【対象】2006年1月から2016年3月において当科にて切除された間質性肺炎合併41症例。間質性肺炎非合併症例784症例の中からマッチドペア解析を用いて、間質性肺炎合併肺癌: 非合併肺癌=1:2になるように サンプルを抽出し、間質性肺炎非合併82症例も同時に解析する。【蛋白抽出】①凍結標本から組織(癌部、癌隣接部、非癌部)を採取(15-25mg程度)。 ②RIPA bufferを加えて、Tissue Lyserで組織をhomogenize。 ③遠心(4℃, 104G, 10min)。④上清を回収。-80℃で保存。【蛋白定量】Bradford法:Quick Start Protein Assayを使用、タンパク定量後、-80℃で保存。【サイトカイン測定】ストックした上清をCytometric Bead Array を用いて多項目サイトカイン同時定量解析を行う。測定サイトカイン:TGF-β,VEGF, FGF, Fibronectin, HGF, IL-1β,IL-2, IL-6, IL-10, IL-12p70, IL-17,IFN-γ, Fibronectin, HGF。【進捗状況】サンプルの抽出が終了し、各々のサンプルにおいて蛋白を抽出しているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象となるサンプルを抽出し、各組織標本から蛋白を抽出している段階である。蛋白抽出終了後はサイトカイン測定に取り掛かることができる予定であり、おおむね順調に進展しているものと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
◎非小細胞肺癌株を用いた炎症性サイトカイン、線維化促進サイトカインによる悪性度誘導実験:サイトカインを導入後、in vitro下における悪性度(増殖能、転移能)誘導実験を行う。非小細胞肺癌株(A549, H157, H2122, H358, H1299, H23,PC9)を培養し、培養上清中にKeyサイトカインを投与し細胞接着性試験、ゼラチンザイモグラフィー、ケモインベージョンアッセイ等にて浸潤・転移能を測定する。◎非小細胞肺癌株を用いた抗炎症薬あるいは抗線維薬による炎症性サイトカイン及び線維化促進サイトカイン抑制実験:逆に抗炎症薬あるいは抗線維薬(Pirfenidone他)を用いて腫瘍細胞の悪性度(増殖、転移能)抑制実験を行う。PirfenidoneはPirfenidone(5-methyl-1-phenyl-2[1H]-pyridone)は抗線維化薬であり、間質性肺炎患者において一秒量の低下抑制、PFSの延長効果がある(Taniguchi H et al.Eur Resp J. 2010; 35: 821-829. )。PirfenidoneはTGF-βやTNF-αの抑制、線維芽細胞の増殖、コラーゲン生成を抑制することにより、組織の炎症、線維化を抑制する(Noble W et al.Lancet. 2011; 377: 1760-1769.)。日本では2008年より特発性肺線維症を 適応とし、臨床に用いられている。 その際、培養液中のサイトカイン濃度の推移を経時的に観察する。◎動物実験モデルによる腫瘍制御実験:マウスあるいはラット肺癌モデルによるin vivo下での抗炎症薬あるいは抗線維薬(Pirfenidone他)を用いた腫瘍制御実験を行い、至適投与濃度、経路、時期を決定し、その腫瘍抑制効果(腫瘍局所増大抑制、腫瘍浸潤・転移能抑制、生存率等)を解析する。
|