2017 Fiscal Year Research-status Report
肺移植に対する超高密度窒素ナノバブルを使用した新たな臓器保存液の開発
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17K10794
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
郡家 聖史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (00795867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
松本 桂太郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (80404268)
馬場 雅之 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (90771957)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺臓器保存 / 組織学的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は研究計画に沿って行った。①高濃度窒素ナノバブル臓器保存液の精製とその保存液の分析、また②そのナノバブル保存液を用いて、ラット肺に対し臓器保存を行った。現時点でナノバブル保存液が有効性があると考えている。 ①に関しては、至適ナノバブル保存液を決定するためにまずナノバブル保存液の成分分析を行った。ナノバブル精製機の作動時の窒素流量や作動時間を調整しその違いを検討した。既存の肺EpTU保存液をナノバブル精製機で1時間以上作動させることで溶液中のNO濃度はがplateauに達することを確認した。またNO濃度は継時的に減少することや、またナノバブル化することでpHの変動も少ないことも確認できた。この条件を現時点での至適ナノバブル保存液の精製法を設定し、臓器保存のステップに移った。 ②では、既存の肺EpTU保存液をコントロール群に、ナノバブル保存液でのラット肺保存群で比較検討を行った。評価するタイムポイントを設定するためにまず長期モデルとして72時間モデル作成し、その時点での保存臓器の状態を評価した。72時間時点では炎症による臓器のダメージ、肺臓器壊死が進んでおり差が顕著ではないと判断し、当初予定通りの4時間、24時間、48時間の臓器保存モデルの作成に移った。現在、②の解析段階である。現時点では組織学的検査ではナノバブル群で炎症の程度が軽微ではないかと推定しており、その定量化を進めている。組織のATP測定や保存液の炎症性サイトカインの測定などを行っている。タイムポイントの設定に難渋しているが、おおむね予定通りの進展と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、①高濃度窒素ナノバブル臓器保存液の精製とその保存液の成分分析、また②そのナノバブル保存液を用いて、ラット肺に対し臓器保存を行った。現在、②の解析段階である。タイムポイントの設定に難渋しているが、おおむね予定通りの進展と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね研究計画の方向性に変更ないと考えている。 上記ラット肺の臓器保存での解析が終了後、すみやかにラット肺移植モデルの作成を行い、移植実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
経費節減に努め、予定通り計画も進展したことにより経費削減することができた。次年度のラットでの動物実験に必要な物品費などに充当する予定である。
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