2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔粘膜遺伝子異常の網羅的解析による肺がん発生高リスク群検出モデルの確立
Project/Area Number |
17K10807
|
Research Institution | Higashihiroshima Medical Center |
Principal Investigator |
原田 洋明 独立行政法人国立病院機構東広島医療センター(臨床研究部), 診療部呼吸器外科, 呼吸器外科医師 (90573816)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 肺癌 / エピジェネティクス / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肺がん組織だけでなく同じく気道組織であるが容易に採取可能な口腔粘膜を用い、がん発生の主たるメカニズムであるエピジェネティックス異常やmicroRNA発現異常の網羅的解析を行い、肺がん発生高リスク群を低リスクで効率的に選定するバイオマーカーの確立を目指すことを目的としている。 口腔粘膜を用いた解析のpilot studyとして、HOXD11とPCDHGB6のメチル化が肺がん患者において非癌患者より効率で検出されることを発見し、論文を作成し、先日publishされた。肺がん組織を用いた研究においては、これまでにDLX4, MDFI, PCDH10のメチル化が、予後に関連する分子生物学的マーカーとなりうることを報告しており、症例数を増やして、これら3遺伝のメチル化での統合解析を行った。この結果をWorld Congress of Surgeryで発表し、Best Poster Prize Winnerに選出され、総会で表彰された。 さらに、環境因子とエピジェネティクス異常についての解析として、酸化ストレスと肺がん組織の遺伝子メチル化異常の関連について、Asia Pacific Society of Respirologyで発表し、Best Abstract of Assemnblyに選出された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺がん組織については、多施設でのサンプルについて、検体処理を進め、数100例のサンプルについてほぼ処理が終了しつつある。 口腔粘膜については、これまでのpilot studyの結果を、多数例でvalidateすべく、サンプル集積もほぼ終了し、こちらも処理を進めているところである。 論文作成については、口腔粘膜関連で1本、肺がん組織関連でも1本、ほぼ完成しており、現在投稿の準備最終段階である。
|
Strategy for Future Research Activity |
口腔粘膜については検診施設との共同研究の準備を行っているが、これを進めていく方針である。もともと予定していなかった施設からの共同実施の希望も届いており、推進することを考慮中である。 多施設での検体サンプルについて、非常に多数になっており、これらを用いて、各種解析を行っていく。
|