2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K10808
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福井 高幸 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70463198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽切 周平 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40647476)
川口 晃司 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (10402611)
横井 香平 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (60378007)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 胸腺上皮性腫瘍 / 胸腺腫 / 胸腺癌 / PD-1 / PDL-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
胸部希少悪性腫瘍のうち、現在は胸腺腫の細胞株樹立を主に行っており、複数の細胞株樹立に成功している。この細胞株を用いて胸腺上皮に特異的なたんぱく発現パターンを免疫染色などで評価している。今後も切除検体や胸水を用いて細胞株の樹立を増やし、たんぱく発現パターンの解析などを行っていく予定である。 またマウスを用いた腫瘍形成モデルの作成を試みている。ヌードマウスの左側腹部皮下に胸腺腫細胞株を注入して腫瘍形成能の確認と異種移植片モデルの確立を試みているが、未だ成功していない。 胸腺腫の外科切除検体による遺伝子異常の網羅的な検索を行った。外科検体は80例前後あり、これを用いた次世代シークエンサーによる遺伝子異常の網羅的な検索を試みている。しかし、現時点でまだ有望な遺伝子異常、特異的な遺伝子変異等は見つかっていない。今後は外科手術症例の検体採取同意を積極的に行い、外科検体標本数をさらに増やし、引き続きH30年度も胸腺腫の遺伝子異常の網羅的解析を継続する予定である。 今までに採取された検体のパラフィンブロックを薄切してPD-L1染色を行った。その結果より、3-4期の進行期胸腺腫や胸腺癌にPD-L1陽性(1%以上染色される)が多いことが判明した。またPD-L1が発現してる胸腺腫患者は予後不良となる可能性が示唆された。この結果は2017年の日本呼吸器外科学会にて口頭発表した。さらに当院での過去の切除検体240例を用いて新たにPD-L1の追加染色を行ってその発現率と臨床的情報との関連を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胸腺上皮性腫瘍は30例程度の手術例があったが、検体採取に適した中皮腫症例が少なかった。 胸腺腫の緩徐に増殖する生物学的特性により、細胞株樹立そのものが困難であり、また継代を経るのにも時間がかかるため予定より遅れている。 PD-L1免疫染色と染色結果評価を複数の病理医が行っているため時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
胸腺上皮性腫瘍、悪性胸膜中皮腫ともに、新たな検体が得られた場合には、前年度に引き続き細胞株の樹立をおこなう。 ヌードマウスの左側腹部皮下に胸腺腫細胞株を注入して腫瘍形成能の確認と異種移植片モデルの確立を試みているが、いまだ成功していない。今後も引き続き腫瘍形成モデルの作成を試みていく予定である。 自動免疫染色器(VENTANA)を用いてPD-L1免疫染色のスピードアップを図る。
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Causes of Carryover |
研究実施が予定より遅れた分、試薬、器具などの消耗品の使用量が少なかったため、次年度使用額が発生したと考えられる。次年度には初年度に行う予定であった研究(細胞培養、免疫染色など)にともなう試薬や設備管理費、また論文作成費、学会参加費に使用予定である。
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Research Products
(1 results)