2019 Fiscal Year Research-status Report
頭蓋内圧上昇環境でのクモ膜下出血による血管収縮機構への影響とその特異的機序解明
Project/Area Number |
17K10817
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 和孝 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (60321999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 宏明 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20506638)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | クモ膜下出血 / 脳血管れん縮 / 脳圧亢進 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では頭蓋内圧亢進環境を再現した状態で、クモ膜下出血により脳血管反応性を検討することを目的としている。本年度は昨年度に引き続き、1.血管の 採取とヘモグロビン精製 (内容:SD ラットから大腿動脈採取と動脈血液を採取しヘモグロビンの精)の最適化を引き続き行った。具体的にはOxyHb 20ul+Drabkin’s solutionを混合し、攪拌後、10-15分静置。分光光度計の波長を540nmに設定し吸光度を測定し、検量線から総Hb濃度(mg/ml)を算出液体窒素で 凍結し-80℃で保存することした。 次に2.Pressurized artery 法による検討するために恒温水槽(チャンバー)の作成を行った。実験には一定の温度・血圧・pH という 血管の機能を変えず に保持する必要がある。陽圧をかけた場合の溶液漏れの防止対策や薬剤投与ルート作成や各種センサーのセットアップを行った。具体的には、恒温槽内(血管外 腔)にはKlebs液10mlを入れることとし、恒温槽内は閉鎖回路化した。恒温槽内を37℃にincubateした定常状態とした。 アクリル板を固定し恒温槽内を気密を保ちながらAir(95% O2,5% CO2)で恒温槽内を酸素化+加圧(正常頭蓋内圧の2倍以上の圧でも気密がたもたれることを確 認)することとした。血管内腔、恒温槽内の圧力を測定しLab-Traxで記録して、モニタリング可能な状況とした。3.結合した血管が生理的な状態 (薬液にactiveに反応可能な生きている状態)を保ち・その状態を持続させることを確認した。採取した血管はただちに4℃のPBSに浸し、on iceで保存しておくこととした。実験の遅延があるため、次年度に繰り越して実験する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
脳血管攣縮を再現するオキシヘモグロビンの精製にH29年度中かかってい待ったため、その遅れを取り戻せていない。血管を結合して利用するチャンバーの水漏 れやセンサー取付・測定の他、陽圧をかけた場合の圧漏れの対策に難渋した。また、血管の生理的状態を保ったままで血管の採取と保存、恒温水槽内への取り付け、さらに生理的な状態を維持するという一連の条件の最適化に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
期間延長を行った。今後、 最適化したチャンバーの条件の下、血管やくも膜下出血の条件を変えながら実験を進める予定である。 計画予定の通り、1.正常ラット血管とクモ膜下出血モデルのラット血管の正常頭蓋内圧と脳圧亢進状態での血管反応性について検討し、組織免疫学的手法( L-type,T-type Ca チャンネルblockerによる検討)で実験を行う。 2. RT-PCRおよびWestern blotting法による検討へと移行する。
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Causes of Carryover |
前頁の報告内容のとおり、研究がおくれているため、本来であれば前年度までに使用すべき予算を繰り越し、本年度使用する予定である。計画予定では1.正常 ラット血管とクモ膜下出血モデルのラット血管の正常頭蓋内圧と脳圧亢進状態での血管反応性について検討し、組織免疫学的手法(L-type,T-type Ca チャンネル blockerによる検討)で実験を行う。2. RT-PCRおよびWestern blotting法による検討を行うのでそのための予算として用いる。
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