2017 Fiscal Year Research-status Report
Novel molecular immune mechanism underlying cerebral vasospasm after subarachnoid hemorrhage.
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17K10821
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石井 宏史 金沢大学, 医学系, 助教 (90634171)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / 早期脳障害 / 免疫細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は糖尿病における血管損傷病態に関わることが分かっている損傷関連分子RAGEのくも膜下出血における関与を調べるために、マウスくも膜下出血モデルを作成して解析した。その結果、RAGEノックアウトマウスにおいて、くも膜下出血後の神経学的スコア及び脳血管攣縮の程度が軽減されることが分かった。すなわち損傷関連分子RAGEがくも膜下出血後に脳血管攣縮及び神経障害を来すことが分かった。次に、我々はこの脳血管攣縮及びこれよる脳障害は、脳血管が発現するRAGEによるものと仮説を立てた。この仮説を検証するために、血管特異的RAGEノックアウトマウスを用いて調べた。意外なことに神経学的スコアと脳血管攣縮の程度に差異はないものであった。つまり、脳血管に発現するRAGEはくも膜下出血の病態に関わらないことが分かった。一方、くも膜下出血後の脳動脈周囲に免疫細胞が多く集積する反面、RAGEノックアウトマウスではこの集積がほとんど消失することが、免疫組織染色で確認できた。従って、我々はくも膜下出血後の脳血管攣縮および神経障害は、免疫細胞に発現するRAGEに依存するという仮説を新たに立てた。ここで、免疫細胞による病態機構を検証するために、ドナーとして野生型GFPマウス由来の骨髄細胞を、レシピエントとして野生型或いはRAGEノックアウトマウスに移植してから、くも膜下出血マウスモデルを作成した。すると、RAGEノックアウトマウスにおいて神経学的スコア及び脳血管攣縮の程度が野生型と同程度まで悪化したために、免疫細胞におけるRAGEがくも膜下出血後の病態を司るということが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
くも膜下出血後に攣縮脳血管周囲に免疫細胞が多く集積することを観察した。そして、この免疫細胞におけるRAGEがくも膜下出血後の病態因子であることを確認しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
くも膜下出血後、攣縮脳血管に集積する免疫細胞のうち、特にどの細胞が病態を示すのかを血球特異的RAGEノックアウトマウスを作成して検証する。また同時にRAGEの新規阻害剤を投与することでくも膜下出血後に治療効果があるかを検証する。
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Research Products
(1 results)