2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the pathophysiology of hemorrhagic brain diseases by oral bacteria
Project/Area Number |
17K10823
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
外村 和也 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (90436965)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 脳動脈瘤 / クモ膜下出血 / 高血圧 / 脳血管障害 / 口腔内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
【脳動脈瘤モデルの作製】 出血性脳疾患の動物モデルとしてはUniversity of California, San Franciscoとの共同研究で確立されたHashimotoモデルを用いた。片腎を摘出した後、マウスの髄腔内へエラスターゼを投与し、徐放性のデスオキシコルチコステロン(DOCA)を皮下に留置するとともに、飲水として1%食塩水を与えることで高血圧を発症させ、ウィリス動脈輪、中大脳動脈をはじめとする脳血管において中膜弾性板が破壊し、くも膜下出血が発症した。 【血圧測定】イソフルレン吸入麻酔下に軽度な麻酔を施行し、尾動脈を用いて非観血的に心拍数および収縮期血圧を測定した。個体ごとに経時的な変化を観察するために、片腎摘出前、エラスターゼ注入前、エラスターゼ注入から1週後、2週後そして3週後と測定を行った。片腎、食塩水、そしてDOCAによって高血圧が引き起こされ、エラスターゼ注入後1週間後の血圧は片腎摘出前と比べ約15%の上昇がみられた。 【脳動脈瘤の形成】マウス17匹を用いたトライアルにおいてエラスターゼ投与から3週間後の観察期間中、破裂脳動脈瘤の発症率は60%であった。これはUniversity of California, San Franciscoのバックデータと比べ適切な発症率であるが、本研究においては口腔内細菌による脳動脈瘤の増悪を目的としているため、発症率を若干低下させる方法が必要である。 次年度は徐放性のDOCAの適用量を減量するなどして再度脳動脈瘤モデルを作製し、破裂脳動脈瘤の発症率を検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度より積極的に動物モデル作製の試みを行い、そして満足な結果を出すことが出来ている。 並行して行っている未破裂脳動脈瘤、そして破裂脳動脈瘤の患者より唾液を採取する臨床研究も精力的に行っているため、 次年度以降に動物実験に患者より採取された口腔内細菌を投与することができそうである。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度脳動脈瘤モデルの作製に成功しているため、口腔内細菌に限らずクモ膜下出血を増悪させる原因となりうる要因を積極的に試み、そのメカニズムを解明したいと思う。
|