2017 Fiscal Year Research-status Report
3次元血流領域における流れの複雑性の定量による脳動脈瘤増大・破裂機序の解明
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17K10825
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 秀謙 三重大学, 医学系研究科, 教授 (90345976)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤 / 数値流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
三次元脳血管撮影またはCT血管造影から得られた形状データで患者固有モデルを作製し、拍動流による数値流体力学(CFD)解析を行った。次に剪断応力Wall Shear Stress (WSS)、WSS関連血行力学的パラメーター、瘤内血流速および血流パターンを計算し可視化した。CFD解析は市販のアプリケーションソフトに独自プログラム(コード)で改良を加えて実施した。さらにCFD解析結果は使用する画像データの質や種類、格子作成技術、解析条件が大きく影響するため、造影剤注入速度や画像解像度などを含め、手技を標準化し、最適なデータ獲得および解析法を設定した。また、分岐部動脈瘤のモデルを複数作製し、全てのモデルの形状データはMimics Innovation Suiteにてstereolithographyで出力すると共に、動脈瘤ドームにおける血流速度の流線を可視化し、WSSおよびWSSベクトルのゆらぎを示すOscillatory Shear Indexを定量した。複雑な三次元血流の定量化を可能とする新しいパラメーターとして暫定的に、時間依存性のゆらぎ、ベクトルに沿った速度勾配、速度勾配ベクトルの時間依存性ゆらぎなどを示すパラメーターを予備的に考案し、三次元血流領域内における速度ベクトルに基づき計算式を作成した。これらの新しいパラメーターが形態不整に伴う血流の複雑性を定量できるか動脈瘤のブレブの数を増やすなど、より形態が複雑な動脈瘤モデルなどで検証し、改良した。今後、完成した新しいパラメーターが動脈瘤の破裂と関連するか、現在までに蓄積した動脈瘤データベースで、後方視的に従来のパラメーターと比較検討しつつ検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、最適なデータ獲得および解析法を設定した。また、複雑な3次元血流の定量化を可能とする新しいパラメーターを考案し、少数例での検討ではあるが、6報の英文誌で発表するなど、研究成果を得ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も基本的に当初の計画通り、実施する予定である。完成した新しいパラメーターが脳動脈瘤の破裂と関連するか、検証するためには多くの症例が必要であるが、脳動脈瘤データベースを構築し、既に多くの症例を蓄積するなど、準備状況は万全である。
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Research Products
(9 results)