2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive development of next-generation direct reprogramming method applicable to treatment for various neurological diseases
Project/Area Number |
17K10827
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 徹 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (60644408)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / ダイレクトリプログラミング / iN細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで培ってきたダイレクトリプログラミング技術を脳梗塞や神経変性疾患など多様な神経疾患への治療応用へ展開することが目的である。 iPS細胞を誘導して神経系細胞を誘導するには少なくとも1-3ヶ月かかるのに比べ、このダイレクトリプログラミング法では2-3週間で神経系細胞を誘導することが可能である。in vivoで直接患者脳内のグリア細胞から目的の神経系細胞を誘導し神経ネットワークを再構築できれば、細胞移植治療で問題となる培地内の血清の持ち込みなどの感染リスクの回避できるなど利点が非常に多く、その成果の波及効果は高い。しかしながらまだこのダイレクトリプログラミング法によって誘導された神経系細胞の治療効果や腫瘍形成能は未知の部分が多く、in vivoの系を利用して評価していくことが非常に重要であると考えている。平成31年度は,平成29、30年度で得られたデータを取りまとめ、英文誌Scientific Reports誌に報告を行った。(文献1, Yamashita T, Shang J, Nakano Y, et al. Sci Rep. 2019;9:10956)
本研究では脳梗塞マウス脳内のグリア細胞にレトロウイルスを用いてAscl1, Sox2, NeuroD1を発現させる実験を行っている。その結果レトロウイルス注入後24日目には神経前駆細胞が誘導され、52日目には成熟した神経細胞が誘導されていることが明らかになった。この研究成果により、脳梗塞で一旦失われてしまった神経細胞も、周囲に豊富に残っているグリア細胞から誘導し補充できる可能性が示すことが出来た。今後、誘導効率を更に向上させると共に安全性を確立し、脳梗塞患者の運動麻痺改善に寄与する治療法開発を進めていく。
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Research Products
(5 results)