2017 Fiscal Year Research-status Report
脳血管攣縮におけるmicroRNAを介したシグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
17K10848
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
吉川 雄一郎 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (80423515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 浩樹 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70262003)
林 健 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40314679)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ラットくも膜下出血モデルの安定した作製ならびにモデルからの血液、髄液の安定採取を第1段階の目標とした。ラット総頚動脈を穿刺し4-0ナイロン糸で頭蓋内内頚動脈終末部をperforationし、人為的にくも膜下出血を生じさせた。モデル作成中におけるICP亢進による一過性全脳虚血によると考えられる致死率は約1/4でヒトにおけるそれとほぼ同等であった。採血は大腿動脈、髄液採取は経皮的穿刺による大槽からの採取を行い、安定した採取が可能となった。samplingした検体は、12000 rpm, 15 minの遠心後に上清を-80℃で凍結保存し解析時に解凍した。本年度の第2段階の目標は、Samplingした血液、髄液からのmiRNAの抽出とした。circulating RNAの中でも、RNAaseによる分解を受けずにその機能を維持していると考えられるExosome内のmiRNAを解析することとした。まず、exosomeの分離を行った。血漿はthrombin処理を行った後にExoQuick Plasma prep and Exosome precipitation kit (System Biosciences Inc)を用いた。髄液はExoQuick-TC precipitation solution (System Biosciences Inc)を用いた。続いて、Total Exosome RNA & Protein Isolation Kit (Invitrogen)を用いてsmall RNAを含むtotal RNAの抽出を行った後に、Bioanalyzer 2100 (Agilent Technologies) を用いて、small RNA分画を確認した。さらに代表的なmiRNAであるlet7の発現をRT-PCRを行い確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデルの作製、Samplingが恒常的に行うことができるようになり、少量のサンプルからのmiRNAの発現解析が可能であることも確認できた。したがって、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットくも膜下出血モデルから、発症後の血液、髄液の経時的Samplingを行い、microarrayを用いた網羅的遺伝子発現解析を行う。これにより発症後に有意に発現変動するmiRNAを同定する。これらの中から脳血管攣縮に関与する可能性のある血管平滑筋収縮や内皮機能、脳虚血などに関与する可能性のある分子の発現をPCR法で解析し、脳血管攣縮や遅発性脳虚血の経過との相関を調べる。実験の進捗状況によっては、さらにヒトの血液、髄液のSamplingを行い、遅発性脳血管攣縮に関与するmiRNAの同定を行う。
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Causes of Carryover |
プライマー、抗体類に関して海外発注したものがいくつかあり、生産側の事情で納期に時間を要しているため当該年度で精算されずに次年度使用額として計上される結果となった。しかしながら、納品され次第当初の予定通り実験が進められるため、使用計画ならびに使用予定には変更なく、支払いの時期が次年度に繰り越された状況である。
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Research Products
(4 results)