2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the brain edema therapeutics based on a characteristic for AQP11
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17K10851
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
望月 靖子 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (20386452)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳梗塞モデルマウス / AQP11 / アクアポリン |
Outline of Annual Research Achievements |
脳は頭蓋骨に囲まれていることから、脳浮腫は疾患の予防を決定する。体内の水分調節を担う水チャネルであるアクアポリン(AQP)ファミリー分子は、脳浮腫の発生や進行に関与していることが示唆されているが、その詳細は不明である。そこで本研究はAQPの中でもこれまで役割が明らかになっていないAQP11と脳梗塞の関与について検討した。脳梗塞の症状が明確となる15週齢以降のマウスでの両側総頚動脈結紮脳梗塞モデルを作成した。結紮したマウスは結紮時間と再灌流後の時間経過により遺伝子発現の変動が異なる。本研究では15分あるいは1時間の結紮時間後に再灌流を行ったのちに脳を取り出してRNAレベルでの遺伝子発現量を比較検討した。その結果、結紮15分後に再還流したマウスの脳はAQP11の発現が30分後に増加するが、1日後以降は減少した。結紮1時間後に再還流した場合は、いずれもAQP11の発現は減少した。結紮15分以外ではAQP11の発現は減少し、AQP4の発現も増加した。これに伴い、ミクログリア、アストログリアの各マーカー遺伝子は両結紮時間とも顕著に増加し、オートファジーに関与するリソソーム膜のマーカー、アポトーシス調節因子の発現は結紮1時間のみ増加した。脳梗塞によりAQP11の発現の減少に伴い梗塞部位ではオートファジーやアポトーシスよりもマイクログリア、アストログリアの増加により盛んに脳の機能を維持している示唆された。さらに血管内皮モデル細胞(マウス条件的不死化脳毛細血管内皮細胞(TM-BBB))でも浸透圧の変化によりAQP11の発現を検討した。脳梗塞同様、浸透圧が高いとAQP11の発現は増加することが示され、AQP11は一過性の脳梗塞時での関与が示唆された。
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