2019 Fiscal Year Annual Research Report
The regulation of glioma stem cell by the transcription factor "RBPJ" suppression in Notch signal
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17K10858
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 慎吾 金沢大学, 医学系, 助教 (40507084)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | RBPJ / 膠芽腫 / STAT3 |
Outline of Annual Research Achievements |
Notchシグナルは、膠芽腫(GB)を含む多くの癌において発生や進行に関与する。Recombination signal binding protein for immunoglobulin kappa J region(RBPJ)は、Notchシグナルの重要な転写因子である。我々は膠芽腫とRBPJについて研究した。GB臨床サンプルのRBPJ発現レベルは正常脳よりも高発現し、さらに神経膠腫の悪性度が高くなるほどRBPJの発現が高くなる傾向が認められた。4つの患者由来GB幹細胞(GSC)においてもRBPJの高発現を認め、分化誘導によりRBPJの発現が低下することから幹細胞マーカーとしても有用と考えられた。4つのGB幹細胞株と2つのGB細胞株において、RBPJ発現の低下は細胞増殖能の抑制、幹細胞形質維持の抑制および浸潤能の低下を促進した。関与する下流シグナルはリン酸化STAT3にタンパク発現低下とインターロイキン6のmRNA発現レベルの低下を認めた。膠芽腫幹細胞のRBPJ抑制によりmesenchymalマーカーであるCD44とYKL-40の発現低下、proneuralマーカーであるOLIG2とPDGFRαの発現増加が認められた。動物実験では、RBPJ抑制膠芽腫幹細胞を移植したマウスは、コントロールよりも生存期間が有意に延長した。またRBPJ抑制膠芽腫幹細胞により形成された腫瘍は、免疫染色にてCD44及びYKL-40の発現低下、OLIG2とPDGFRαの発現増加が認められた。この結果は、RBPJ抑制によって膠芽腫の中でも予後良好なproneuralサブタイプに形質変化が誘導されたことを示唆する。以上より、RBPJは膠芽腫の幹細胞マーカーとして利用できる可能性だけでなく、細胞増殖・幹細胞形質維持・幹細胞phenotypeに関与するため膠芽腫の標的治療として有用であると考えられた。
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Research Products
(2 results)