2019 Fiscal Year Annual Research Report
The empathic network preserved by intraoperative brain mapping in awake craniotomy
Project/Area Number |
17K10859
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木下 雅史 金沢大学, 医学系, 講師 (50525045)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 共感性 / 覚醒下手術 / 神経膠腫 / グリオーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究進行状況について計画ステップごとに報告する。 2018年度までの研究:1. 「共感性」の術中評価タスクの新規作成と正当性の検討(終了)。2. 右前頭葉グリオーマ患者における「共感性」タスクを用いた術中評価(終了)。3. 右前頭葉グリオーマ患者における「共感性」タスクを用いた術中評価(終了)。 2019年度の研究:4. 「共感性」神経ネットワーク評価(終了):拡散テンソルトラクトグラフィ、脳機能MRI:術前・術後のデータ収集を行った。5. 「共感性」陽性領域のマッピング(終了):予定の20例に至らず症例数は少ないものの、症例データが蓄積された。前頭葉切除後壁に上下に連絡する連合線維ネットワークの存在が明らかとなった。想定していたトラクトAと共感性との関連が示唆された。6. 「共感性」と白質神経線維束Aが関わる役割の検討(終了):人の感情に関わる他の神経ネットワークとの関連性が疑われた。さらに脳腫瘍による機能の局在変化の影響が否定できなかった。また、ボクセル基盤脳形態画像解析では、本神経線維束A近傍の切除において、術後の「意欲」低下が有意に発生することがわかった。すなわち、感情-共感性-意欲に関わるマルチモーダルネットワークの存在が考えられた。 2020年度以降の研究計画:ヒト右前頭葉腫瘍における覚醒下脳機能マッピングを用いた摘出手術において、術中の意欲低下に関与する切除領域、皮質ならびに皮質下の直接電気刺激を用いた誘発症状を元に、「意欲の大脳中枢」と「意欲の脳内ネットワーク」を直接的に同定し、回復過程に影響する「意欲の脳内可塑性ネットワーク」と「意志力が果たす脳内環境の仕組み」を解明する研究を開始する。本研究は2020-2022年度の基盤研究Cにおいて遂行予定である。
|