2017 Fiscal Year Research-status Report
Target therapy of glutamine metabolism in glioma with IDH mutation
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17K10864
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 一寛 神戸大学, 医学研究科, 助教 (70467661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠山 隆司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10379399)
水川 克 神戸大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (80403260)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IDH変異 / グルタミン代謝 / 2-hydroxyglutarate / グリオーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍組織標本のメタボローム解析では、IDH1変異を有するグリオーマで2-hydroxyglutarate(2HG)濃度の高値とグルタミン酸濃度の低値を示した。さらにリアルタイムPCR法を用いてグルタミン酸代謝に関連する代謝遺伝子のmRNA発現を調べると、glutamate dehydrogenase 1 and 2 (GDH1/2)の発現がIDH1変異を有するグリオーマ組織で有意に高く、branched chain amino-acid transaminase1 (BCAT1)の発現が有意に低下していた。同様にウエスタンブロット法によるタンパク発現の解析においてもIDH1変異を有するグリオーマ組織でGDH1/2の発現が亢進しBCAT1の発現は低下していた。また腫瘍標本を用いた免疫組織化学染色法によるGDH1/2陽性細胞の測定では、IDH1変異型腫瘍組織でGDH1/2の陽性細胞比率が有意に高かった。これらのことからIDH1変異型腫瘍ではGDH1/2とBCAT1が関連するグルタミン酸代謝の変動が示唆された。 次にヒトグリオーマ継代培養細胞(U87 MG)にIDH1変異遺伝子を導入し代謝変動を解析した。IDH1変異型U87MG細胞では2HG濃度の増加とともにグルタミン酸濃度の低下を認め、多変量解析を行うと、2HGとともにグルタミン酸が代謝変化に最も寄与する代謝物であった。今後はこの細胞モデルを使用して研究を進める予定とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトグリオーマ継代培養細胞(U87 MG)にIDH1変異遺伝子を導入した細胞モデルを作成して研究を進めているが、安定発現細胞株の作成が困難である。また、IDH変異を有するグリオーマ組織から直接培養継代した細胞株の作成も試みているが、安定した継代が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトグリオーマ継代培養細胞(U87 MG)にIDH1変異遺伝子を導入した細胞モデルに対してグルタミン代謝に関連する代謝酵素の遺伝子操作や阻害剤を用いて、抗腫瘍効果を検討する予定である。その際、グルタミン飢餓状態がグリオーマ細胞に及ぼす影響についても検討を行っており、他のアミノ酸の変動などに注目して解析を行う予定としている。
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Causes of Carryover |
ヒトグリオーマ継代培養細胞(U87 MG)にIDH1変異遺伝子を導入した安定発現細胞株の作成が困難であり、その後のメタボローム解析や遺伝子操作実験が遅れているため次年度使用額とした。本年度はメタボローム解析費用、遺伝子操作に必要なベクターや試薬、導入確認のための試薬などの計上を行っていく予定である。
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[Journal Article] Myo-inositol concentration in MR spectroscopy for differentiating high grade glioma from primary central nervous system lymphoma.2017
Author(s)
52.Nagashima H, Sasayama T, Tanaka K, Kyotani K, Sato N, Maeyama1M, Kohta1M, Sakata J, Yamamoto Y, Hosoda K, Itoh T, Sasaki R, and Kohmura E.
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Journal Title
J Neurooncol.
Volume: 136(2)
Pages: 317-326
DOI
Peer Reviewed
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