2017 Fiscal Year Research-status Report
glioblastomaの浸潤機構におけるFLNCを中心とした分子機構の解明
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17K10871
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
新里 能成 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (00464470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 宏文 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (00264416)
有田 和徳 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90212646)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | glioblastoma / Filamin C / 細胞浸潤 / 治療標的 |
Outline of Annual Research Achievements |
Glioblastoma(GBM)に対する標準治療は、手術による摘出と、その後の放射線照射、temozolomide(TMZ)投与である。しかし、これらの治療を適切に行っても5年生存割合は10%程度であり、GBMは非常に悪性度が高く治療困難な腫瘍であり、さらなる治療の開発が必要である。GBMが治療困難である一つの理由は、GBMの細胞運動能、浸潤能が非常に高く、周囲の正常脳に広範囲に広がっていくため、手術で全摘出を行うのことが困難であり、また抗がん剤を正常脳に浸潤した癌細胞に届かせるのが難しいためである。 このことは、GBMの運動能、浸潤能を抑制することは、GBMの進行を抑えることにつながることを意味する。 我々は、GBMにおける新たな治療標的になり得る因子を探索する目的で、米国立癌研究所が提供している大規模ながんゲノムデータベースであるThe Cancer Genome Atlas(TCGA)のデータを用いて解析を行い、GBMの新しい予後不良因子としてFilamin C(FLNC)を同定した。FLNCは、filamin familyの一つである。filamin familyは、filamin A(FLNA)と癌の運動、浸潤との関連は知られているが、FLNCに関しては、あまりよく知られていない。 我々は、FLNCがGBMの運動能、浸潤能を亢進させていると仮説を立てて研究を始めた。 今年度は、GBMの細胞株を用いてFLNCのノックダウン株、強制発現株を作成した。今後、特にGBM細胞株の運動能、浸潤能に対する影響をin vitroで評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大方、予定通りに研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
インベージョンチャンバーを用いて、GBM細胞株の運動能、浸潤能に対するFLNCの影響を評価する。
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Causes of Carryover |
試薬を購入する予定であったが、購入時期がずれ込んだため、次年度使用額が生じた。 H30年度、予定の試薬を購入する予定である。
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