2019 Fiscal Year Research-status Report
glioblastomaの浸潤機構におけるFLNCを中心とした分子機構の解明
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17K10871
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
新里 能成 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (00464470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 宏文 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00264416)
有田 和徳 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90212646)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | glioblastoma / FLNC / MMP2 / 浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
Glioblastoma(GBM)は非常に悪性度が高く治療困難な腫瘍である。その理由のひとつは、GBMが運動能、浸潤能が非常に高く、周囲の正常脳に広範囲に広がっていくため、手術で全摘出を行うのことが困難であるためである。このことは、GBMの運動能、浸潤能を抑制することは、GBMの進行を抑えることにつながることを意味する。我々は、GBMにおける新たな治療標的になり得る因子を探索する目的で、米国立癌研究所が提供している大規模ながんゲノムデータベースであるThe Cancer Genome Atlas(TCGA)の データを用いて解析を行い、GBMの新しい予後不良因子としてFilamin C(FLNC)を同定した。FLNCは、filamin familyの一つである。filamin familyは、filamin A(FLNA)と癌の運動、浸潤との関連は知られているが、FLNCに関しては、あまりよく知られていない。 我々は、FLNCがGBMの運動能、浸潤能を亢進させていると仮説を立てて研究を始めた。まず、我々は、GBM細胞株を用いてFLNC強制発現株、FLNCノックダウン株を作製した。次にボイデンチャンバーを用いて、これらの細胞の遊走能、浸潤能を評価することで、FLNCがglioblastoma細胞の浸潤能を亢進させることを見いだした。また、ザイモグラフィー法を用いたMMP活性の評価により、FLNCがMMP2の活性に関与していることを見いだした。さらに臨床検体を用いた検討で、FLNCが、その予後増悪に関与していることを明らかにし論文を発表している(Br J Cancer. 2019 Apr;120(8):819-826.)。現在、FLNCがどのようにしてMMP2を活性化するのか、その分子機構の解明を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一報、論文も発表することが出来、さらに研究を進展出来ている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
FLNCがどのようにしてMMP2を活性化するのか、その分子機構の解明を進めている。
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Causes of Carryover |
マイクロアレイを行う予定で金額を残しておいたが、準備が間に合わなかったため、繰り越して次年度に行い、その結果を解析した上で、さらなる研究を推進する。
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[Journal Article] High filamin-C Expression Predicts Enhanced Invasiveness and Poor Outcome in Glioblastoma Multiforme2019
Author(s)
Kamil M, Shinsato Y, Higa N, Hirano T, Idogawa M, Takajo T, Minami K, Shimokawa M, Yamamoto M, Kawahara K, Yonezawa H, Hirano H, Furukawa T, Yoshimoto K, Arita K.
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Journal Title
Br J Cancer.
Volume: 120(8)
Pages: 819-826
DOI
Peer Reviewed / Open Access