2018 Fiscal Year Research-status Report
Visualization of epileptogenesis by PET multi-tracer methods
Project/Area Number |
17K10886
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
稲次 基希 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00422486)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | てんかん / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
内側側頭葉てんかん患者16名に対して、FDGPET、FMZPET、MPDZPETを施行して、正常群と比較した。FDGPETでは、SPM統計解析にて焦点側側頭葉内側、外側、前頭葉、前帯状回にて有意な低下を認めたほか、反対側前頭葉皮質、帯状回においても糖代謝の低下を認めた。明らかな上昇部位は確認できなかった。これらの結果はROI解析においても同様であった。FMZPETでは、SPM統計解析によって焦点側側頭葉内側においてのみ低下を認め、有意な上昇部位は認めなかった。この結果はやはりROI解析においても確認された。MPDXPETでは、SPM統計解析では両側前頭葉皮質、両側帯状回において有意な結合能の上昇を認めた。明らかな低下部位は認めなかった。ROI解析においてもSPM統計解析で認めた結合能上昇部位において、有意な上昇が確認された。術前の罹患期間が10年以上の群では、10年以下の群と比較して、MPDX結合能の上昇がより顕著な傾向にあった。同様に術前抗てんかん薬が単剤の患者群において、2剤以上を用いている群と比較して、結合能の上昇部位が狭い傾向にあった。これらのことからは、術前のてんかん発作がより重度で長期な場合に、アデノシン結合能がより広範囲でかつ、より強く上昇する傾向にあった。これらから、アデノシンA1受容体は焦点では変化なく、焦点周囲においてで有意な受容体結合能上昇が示され、このような変化は、焦点周囲におけるてんかん抑制や神経保護機能の獲得を示すと思われた。現在投稿中である。 臨床におけるグリアイメージングでは、現在明らかな焦点描出には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究におけるアデノシン受容体、グルタミン酸受容体評価は概ね終了した。一方で、グリア機能イメージングでは、あまり良いイメージングにつながっていない。これは慢性病タイトトレーサーの感度両者の問題と考えている。 基礎研究においては、トリプトファン代謝、グリアイメージングのいずれにおいても、てんかん原性獲得過程の描出が示されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.臨床研究に関しては、投稿中の論文の完成を目指す 2.臨床におけるグリアイメージングでは、TSPO以外をターゲットとして新規トレーサーでの評価を計画している。 3.基礎研究においては、トリプトファン代謝、グリアイメージングの両者での、てんかん原性獲得過程の評価がなされているが、現在in vitro ARGを追加している。
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Causes of Carryover |
新規トレーサーを用いた研究が必要となったため、次年度への繰り越しが生じた。 本研究においては、新規トレーサーを用いた場合の妥当性検討の研究に、やや費用を要するため。
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