2019 Fiscal Year Annual Research Report
Intraoperative visualization of human cortical activation using flavoprotein imaging
Project/Area Number |
17K10887
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大石 誠 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (00422593)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | optical imaging / human brain / cortical activation |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は,脳神経外科の手術においてさらなる安全性と確実性を追求するために,脳機能および脳解剖の新規イメージング法や神経生理学的手法を用いたモニタリング法にこだわった新しい手術支援法の確立に常に取り組んできた.その中でも,術中の「 神経活動領域の可視化」は,脳神経外科医にとって究極の手術支援方法となりうるが,未だかつて実現した報告はない. 脳神経外科手術において,5-ALAやfluorescenceといった外因性物質を用いた腫瘍や脳血管の可視化法が手術支援法としてさかんに導入されて来ており,それぞれ特殊波長により励起される蛍光反応を,特殊波長のフィルターを通して観察する蛍光イメージング法の応用となっている.一方で脳実質の活動を同様の方法で可視化する方法も,神経細胞内における活動時の代謝産物を対象として,脳の組織切片や動物実験のレベルではいくつか確立されて来ている.その中で,フラビン蛍光イメージング法は,神経組織の活動を特殊波長で直接可視化できる内因性イメージング法であり,我々が所属する新潟大学脳研究所のシステム神経生理学教室(渋木克栄教授)により開発された手法である.最大の特徴は,神経細胞活動時の細胞内ミトコンドリアでの代謝産物であるflavoproteinが特殊波長の光により励起される自然蛍光を特殊波長フィルターで観察できることであり,他のイメージング法と異なり外因性物質の投与は一切不要であり,対象組織への毒性を考慮する必要がない.すでに動物実験やヒトの切除組織切片への適用により,様々な脳皮質活動の可視化に成功してきた.今回我々は,ヒトの脳手術中において本法を応用してヒト大脳の活動を可視化できることを証明した.
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