2018 Fiscal Year Research-status Report
前頭葉内言語線維及び運動線維における相互作用の解明
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17K10892
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊池 隆幸 京都大学, 医学研究科, 助教 (40625084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 理器 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00378754)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | supplementary motor area / language function / laterality |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の対象となるような手術症例が少なく、症例数はのびなやんでいる。 これと並行して行っている、補足運動野と言語との関連についての機能的MRI解析を行った。2013年10月から2016年11月までに当院でwada testとfMRIを施行した症例のうち、言語野に腫瘍や浮腫が及ぶ症例やAVM症例を除いた18例(男性8例、女性10例)を対象とした。middle frontal gyrus, inferior frontal gyrus ( pars opercularis), inferior frontal gyrus ( pars triangulars ), SMA, superior temporal gyrus, inferior parietal lobule, angular gyrus, fusiform gyrusの8つのROI について検討した。グループ間での各ROIにおけるlaterality index (LI)の差異をWilcoxon signed rank testを用いて評価し、カットオフ値を調べるためにROC解析を行った。右利きは左優位群で14例、右優位群で1例であった。左病片側症例は左優位群で11例、右優位群で2例であった。Wilcoxon signed rank testの結果、黙読課題におけるSMAのLIは有意差( p=0.002 )を認め、言語優位半球判定のためのSMAのLIのカットオフ値は -0.07で、 AUCは1.00であった。このように、言語タスク実施時の補足運動野の賦活の左右差と、言語側方性評価のゴールドスタンダードとされるWada testとの結果がよく一致するという結果が得られ、frontal aslant tractが接続する2領域の言語との関連性について示唆に富む内容であったため、これを論文として報告すべく準備を行なっている。 引き続き手術症例の蓄積も継続してゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例数の伸び悩みにより上記と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り手術症例の蓄積により、電気生理学的所見の評価と臨床評価パラメータとの関連について評価を行ってゆく。補足運動野と言語側方性の関連については論文にまとめて投稿をめざす。
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Causes of Carryover |
研究対象手術患者数の停滞により費用が定額となった。今後の症例組入により見込まれる費用及び、機能的MRI研究の追加検査や解析などで必要となる費用を見込んでいる。
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