2017 Fiscal Year Research-status Report
霊長類視床痛モデルにおける中枢性疼痛メカニズムの解明
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17K10893
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齋藤 洋一 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (20252661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 康 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (60311198)
細見 晃一 大阪大学, 産学連携本部, 特任助教 (70533800)
眞野 智生 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (70778026)
岡田 研一 大阪大学, 生命機能研究科, 特任研究員(常勤) (80790956)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳神経機能外科学 / 反復経磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中後疼痛の治療にはプレガバリンなどの投薬、脊髄刺激療法などが行われるが、決して治療効果は芳しくない。理由としてはメカニズム解明が不十分であることが挙げられる。肥後らはマカクサルの腹外側核にコラゲナーゼを注入して破壊することで、比較的長期に安定した脳卒中後疼痛モデルを作成することに成功した。我々は、この脳卒中後疼痛モデルサルを用いて、前足に機械刺激、温度刺激を与え、注入前における逃避行動の閾値の変化で痛みの発生を評価し、注入後と比較することを考えた。またMRIなどのイメージング手法などを使って実際の脳障害部位の同定、視床障害による神経連絡の経時的な再編過程などを調べる。脳卒中後疼痛のメカニズムを解明することで、新たな脳刺激療法の可能性を追求する。 視床破壊前のマカクサル1頭で痛み感覚を調べるための行動実験を行った。視床破壊に必要な手術器具を準備した。疼痛の変化の解析に必要なMRI画像で構造画像、拡散テンソル画像、麻酔安静時fMRIを取得した。また前足に対する電気刺激応答の時間、空間的精度を安静時fMRIで計測した。 次に肥後博士の協力を得て、マカクサルでVPL核に微小な破壊を行い(微量薬物注入(コラゲナーゼ,200-1000U/ml))、アロジニアを示す個体を作成した。7T MRI(シーメンス)でのrs-fMRI撮影をrTMSによる一次運動野刺激前後で行い、脳内機能的結合の変化を探った。また熱刺激とvon Frey式痛覚測定装置を用いた機械刺激に対する回避閾値を測定し、脳内機能的結合変化との相関を探っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1頭のマカクサルにおいて、疼痛モデルにする前の行動実験、7T MRIでの麻酔安静時fMRI撮影に成功した。そのマカクサルにおいて、肥後博士の協力を得て、マカクサルでVPL核に微小な破壊を行い(微量薬物注入(コラゲナーゼ,200-1000U/ml))、同様のアロジニアを示す個体を作成した。そのマカクサルは計画通り、破壊数か月後にアロジニアを示すようになった。7T MRIにて疼痛状態での麻酔安静時fMRI撮影を施行し、熱刺激とvon Frey式痛覚測定装置を用いた機械刺激に対する回避閾値を測定した。同一個体において、rTMSによる一次運動野刺激を繰り返して、熱刺激とvon Frey式痛覚測定装置を用いた機械刺激に対する回避閾値を測定し、また7T MRIにて疼痛状態での麻酔安静時fMRI撮影を施行し、rTMS施行後の鎮痛状態における脳画像を収集している。 ほぼ予定通りの進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
同様の視床破壊実験と行動実験、fMRI撮影をもう1頭のマカクサルで行う。 具体的には、視床に破壊創を作成したマカクサルにおいて、痛み感覚を調べるための行動実験と視床破壊に必要な慢性手術と疼痛の変化の解析に必要なMRI画像で構造画像、拡散テンソル画像、麻酔安静時fMRIを取得する。また前足に対する電気刺激応答の時間、空間的精度を安静時fMRIで計測する。 7T MRI(シーメンス)でのrs-fMRI撮影をrTMSによる一次運動野刺激前後で行い、脳内機能的結合の変化を探る。また熱刺激とvon Frey式痛覚測定装置を用いた機械刺激に対する回避閾値を測定し、脳内機能的結合変化との相関を探る。 2頭のデータを詳細に解析し、視床痛発症のメカニズムを解明し、rTMSによる除痛効果のメカニズムも解明する。
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Causes of Carryover |
Von Frey式電子痛覚装置については、隣接する研究室・同研究グループ所有分を使用しており、経年劣化により購入を検討しながら、研究を遂行しておりましたが、研究の進捗状況により、購入時期を次年度に変更したため次年度使用額が生じた。
翌年度分の使用計画としては、Von Frey式電子痛覚装置の購入及びマカクサルのデータ解析を詳細に行うための実験関連消耗品、マカクサル飼育費、その他本研究遂行に必要となる経費に充当する予定である。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] The optimal stimulation site for high-frequency repetitive transcranial magnetic stimulation in Parkinson’s disease: A double-blind crossover pilot study2018
Author(s)
Yokoe M,Mano T,Maruo T,Hosomi K,Shimokawa T,Kishima H,Oshino S,Morris S,Kageyama Y,Goto Y,Shimizu T,Mochizuki H,Yoshimine T,Saitoh Y
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Journal Title
J Clin Neuroscience
Volume: 47
Pages: 72-78
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] MAGNETOENCEPHALOGRAPHIC-BASED BRAIN-MACHINE INTERFACE ROBOTIC HAND FOR CONTROLLING SENSORIMOTOR CORTICAL PLASTICITY AND PHANTOM LIMB PAIN2017
Author(s)
Takufumi Yanagisawa,Ryohei Fukuma,BenSeymour,Kouichi Hosom,Haruhiko Kishima,Hiroshi Yokoi,Masayuki Hirata, Toshiki Yoshimine,Yukiyasu Kamitani,Youichi Saitoh,
Organizer
The 16th European Congress of Clinical Neurophysiology ECCN 2017
Int'l Joint Research
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