2017 Fiscal Year Research-status Report
自己嗅粘膜とiPS由来神経細胞併用療法による脊髄損傷治療法の開発
Project/Area Number |
17K10896
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石原 正浩 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00533803)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経再生 / 脊髄損傷 / 嗅粘膜 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
iPS細胞と嗅粘膜組織との共培養の前に、嗅粘膜組織の神経軸索誘因作用についての検討を行った。ラット後根神経節(以下DRG)を採取し、嗅粘膜組織との培養を行ったところ明確に嗅粘膜組織に軸索誘因作用があることを確認した。次にコラゲナーゼで嗅粘膜を処理し、嗅上皮(以下OE)と基底層(以下LP)に分離し、同様の共培養を行ったところ、どちらも神経軸索誘因効果を認めたが、LPの方が優位に軸索誘因作用を有した。そのため、LPの軸索誘因作用のメカニズムを解明するため、培地内の神経栄養因子について、検討した。培地に各種抗神経栄養因子抗体を添加し、軸索誘因効果の減弱を判断した。抗NeuroGrowthFactor(以下NGF)抗体、と抗Neurotrophin-3(以下NT-3)抗体を添加したところ優位に軸索誘因効果が減弱した。一方、培地中の神経栄養因子を測定すると共培養により優位にNGFが分泌されている一方、NT-3は分泌されていないことが分かった。LP内の主構成細胞である嗅粘膜鞘細胞(以下OEC)の神経栄養因子分泌の過去の論文報告と照らし合わせると、同様にNT-3は分泌されておらず、NGFは分泌されていることをと一致していた。抗NT-3抗体による軸索伸長作用の減弱効果は主にDRGに対して影響すると判断し、LPから分泌されたNGFにより軸索の誘因がなされていることが判明した。次に、LPを乗り越えて神経軸索が伸長するかどうかを判断するためDRG-LP1-LP2となるような共培養を行ったところDRGの神経軸索はLP2内に伸長することが観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まだiPS細胞を扱ったことがなく各種倫理委員会の申請・細胞提供の依頼、研究室内での培養に必要物品の整備に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度よりiPS細胞由来神経幹細胞の研究を行っている研究者と共同で行うことができるようになった。そのため、iPS細胞由来神経幹細胞を作成および神経細胞への分化誘導を主に行う方針としている。
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Causes of Carryover |
iPS細胞作製に関連した部分の進捗が遅延しているため
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