2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of new surgical therapies for l-dopa induced dyskinesia targeting striatal striosome comparment
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17K10899
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森垣 龍馬 徳島大学, 病院, 助教 (70710565)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 線条体ストリオソーム分画 / 脳内ネットワーク / パーキンソン病 / ジスキネジア / 脳深部刺激療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、l-ドーパ発性ジスキネジアモデルに関して、ラットおよびマウスモデルの作成は問題なく遂行され、疾患モデルとして確立した。次に脳線条体のストリオソーム分画の機能を修正するために、l-ドーパ誘発性ジスキネジアモデルラットのmedial prefrontal cortexに神経破壊を目的としたイボテン酸を注入することや、神経回路修正を目的とした電気刺激を行ったが、思うような効果は得られなかった。その理由の一つとして、この皮質領域は主に線条体内側に投射していることがあげられた。また、正中に近い領域のため操作のためには静脈洞からの出血が問題となることが多く、操作自体にも難渋した。線条体の運動領域は背外側に位置しており、より外側部位のストリオソームに投射する皮質の発見が必要と考えられた。このため、medial prefrontal cortexに修正を加えることを見直し、他の皮質領域で外側ストリオソーム分画へと主に投射する皮質領域を探すことにした。この目的のため、アデノ随伴ウィルスベクターを用い、候補皮質を半網羅的に神経トレーシングする研究を開始し、候補となる皮質領域を現在選定しつつある。また、動物モデルに関してもラットであれば大きすぎて不可能であるが、マウスモデルなら動物用MRIで刺激部位を正確に選定できる可能性があるため、以後はl-dopa誘発性ジスキネジアモデルマウスを作成することとした。そして、刺激部位の選定、電極の作成、電極の固定などの基本的な操作を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の通り脳線条体ストリオソーム分画へ投射する皮質を新たに選定する実験に時間を要している。この皮質選定には候補皮質にランダムにウィルスベクターを注入し、その2週間後に動物を還流固定して組織を確認する実験の繰り返しとなる。この時間を要しやや遅れているが想定の範囲内であり、おおむね順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
脳線条体ストリオソーム分画の特に線条体背外側部位優位に投射する皮質部位を特定することができたなら、この部位を電気刺激することで神経ネットワークの修正が可能かどうかの実験を行う。具体的にはパーキンソン病ジスキネジアモデルを用いて同部位を電気刺激することで、ジスキネジアが抑制されるかどうかを観察する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度は国際共同研究先の米国に渡航中であり、米国施設にての研究は米国施設の研究費、資源を使用して行うことが可能であったため次年度使用額が生じた。使用計画としてはマウス脳内の狙った部位に正確にウィルス、薬剤、もしくは電極を挿入するために、動物用MRIを用いてこれを行うための資金にすること、またウィルスベクターや刺激用電極を購入する資金に充てる予定である。
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Research Products
(4 results)