2017 Fiscal Year Research-status Report
拡張現実を応用した新型内視鏡下手術支援ナビゲーションシステムの開発
Project/Area Number |
17K10905
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山口 崇 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20245070)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 五月 自治医科大学, 医学部, 講師 (10705445)
佐藤 信 自治医科大学, 医学部, 研究員 (80742345)
益子 敏弘 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90275701)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 拡張現実 / 手術ナビゲーション / 神経内視鏡手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.現在のAR naviによるモニタリング:3Dプリンターで下垂体腫瘍を含む石膏モデルを作成し、現有のAR naviを用いて内視鏡下経鼻下垂体手術モニタリングを手術室で実際にシミュレーションを実施した。経鼻下垂体手術のような深部のターゲットでもブラインドスポットなく、常に目的の構造物をタブレット上に描出できることを確認した。次にタブレット端末に重畳された腫瘍を含む深部ターゲットの精度を検証したが、誤差は数ミリ以内であり問題ないことが確認された。 2.神経内視鏡の位置情報をコンピュータシステムに認識させる:神経内視鏡の位置情報をキャプチャーカメラに認識させるため、内視鏡本体に近い部分に内視鏡の位置情報を知らせる自作の小型光学リファレンスを装着した。さらに自作の光学リファレンスが実際に手術操作の妨げにならないか、複数の石膏モデルでのシミュレーションを繰り返し、最も適切な装着部位を決定した。 3. 神経内視鏡の映像情報にAR naviの情報を重畳させる:内視鏡映像をAR naviのコンピュータシステムに転送するとともに、内視鏡の位置情報も合わせて別ルートで送り、この両者をコンピュータの情報処理により融合した。0度の内視鏡の画角は広く、周辺部においては映像のゆがみを生じる。内視鏡映像のキャリブレーションを行い、ゆがみによる誤差が生じないよう工夫し、最終的に内視鏡映像をARナビ上に最小限の誤差にて頂上することが可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手術室での石膏モデルを用いたシミュレーションを終了することができた。小型とはいえ光学リファレンスを内視鏡鏡筒に装着したために、手術の操作性に制限を生じてしまった。繰り返しトライアルを行うことで最適な装着部位を決定した。当初は、内視鏡映像の周辺部位の歪みのために精度の低下が認められたが、内視鏡映像場で複数の点でキャリブレーションを行うことで解決された。
|
Strategy for Future Research Activity |
4.実際の手術における試用 実際に手術室において以下の項目に関して、それぞれ検証を行っていく。(1)手術前のセッティング:本システムのセッティングのために要する時間、人的負担など。(2)ブラインドスポットの有無:タブレット端末、高額リファレンスを取り付けた内視鏡に対する検討。(3)術中の操作性:手術操作と機器の干渉を術中使用する手術器具ごとに調べる。(4)自作の洗浄装置(エンドスプラッシュ)との併用による操作性の変化:(3)と同じ。(5)斜視鏡を用いた際の表示のされ方:体感的なものも含めて有用性が感じられるかなど。(6)有用性の検証:導入後の手術時間、剔出度、合併症の出現率などの項目に関して、術前と比較検討を行う。
|
Causes of Carryover |
(理由) 機器の一部紙購入であり、また消耗品の年度内使用量が予定よりやや少なかったため。 (使用計画) 次年度に使用する。具体的には、3Dモデルの消耗品、画像調整のためのPCのソフトウエアの購入など。
|