2017 Fiscal Year Research-status Report
正常圧水頭症とパーキンソン症候群の鑑別の為の髄液マーカーの探索と病態の解明
Project/Area Number |
17K10906
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮嶋 雅一 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (60200177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 円 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50317450)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 正常圧水頭症 / パーキンソン症候群 / 髄液 / バイオマーカー / small RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
①既知のsmall RNAの同定:iNPH2例、パーキンソン症候群1例、アルツハイマー病1例の計4例の髄液をhuman miRNome miRNA PCR Arrayを用いて、1008個のmicroRNAsを網羅的に解析した。その結果20個のmicroRNAsがiNPHと比較してパーキンソン症候群で変動していた。(1次スクリーニング)次にiNPH 7例、パーキンソン症候群3例、アルツハイマー病5例と正常5例を対象として、1次スクリーニングにて抽出された20個のmicroRNAsをqRT-PCR法にて定量測定し、9個のmicroRNAsが候補として抽出された。(2次スクリーニング) 更に、これらの9個のmicroRNAsを55例(iNPH;21例,パーキンソン症候群;18例, アルツハイマー病;16例, 正常例;5例)の髄液検体を用いて、qRT-PCR法にて定量測定した。その結果AUC 0.8以上で、iNPHとパーキンソン症候群併存例を鑑別診断できるバイオマーカーの候補としてmiR-1280, miR-let-7b, miR-4274, miR-2116, miR-3675, miR-92a, miR-3131, miR-1910, miR-4310が同定された。 ②未知のsmallRNAの同定:iNPH 10例とパーキンソン症候群10例を対象として、髄液からsmall RNA抽出した。2016年度の創薬等技術支援基盤プラットファーム・解析拠点領域機能ゲノミクス領域Aの支援の基に、TruSeq Small RNA-Seqライブラリー作製キットを用いて、シーケンス用ライブラリーの作製を試みた。結果、得られたピークはわずかに検出される120bpのみでNegative Controlとの差が見られず、アダプターダイマー由来のピークと予想されることから、ライブラリーは作製を断念した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既知のsmall RNAの同定は期待通り進行し、候補となる9個のmiRNAsを同定することができた。しかし、ライブラリーの作製ができず、未知のmiRNAsを同定することはできなかった。初年度の達成度としては80%である。
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Strategy for Future Research Activity |
候補となる9個のmiRNAsを、別のコホートに於いて検証し、更に精度の高いバイオマーカーを絞り込んでいく。髄液中のsmall RNAは微量である為、シーケンス用ライブラリーの作製は断念し、計画を変更し、パーキンソン症候群の中でも、最も鑑別が難しい進行性核上性麻痺とiNPHの診断可能な既知のmiRNAsバイオマーカーをhuman miRNome miRNA PCR Arrayを用いて探索する計画である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた未知のsmall RNAの同定の為に、シークエンス用ライブラリーの作製を試みたが、髄液中のsmall RNAが微量の為に、ライブラリーの作製を断念した。その為に次年度はsmall RNA Arrayを使用して、iNPHとパーキンソン症候群を鑑別するsmall RNAを同定する。
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