2017 Fiscal Year Research-status Report
脳内機能性ネットワークの解析による慢性疼痛の診断と治療効果の検討
Project/Area Number |
17K10910
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Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
田中 忠蔵 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 名誉教授 (80163541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 雅宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (60223608)
樋口 敏宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (80218700)
萬代 綾子 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (20769343)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳機能 / ネットワーク / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脳機能画像法(fMRI)の一種であるdefault mode network(DMN) の解析を応用し、痛みの処理に関わるネットワークを詳細に検討するとともに、MRスペクトロスコピーによる脳代謝の変化を抽出し、慢性疼痛関連ネットワークと神経情報伝達物質の解析から疼痛関与のパターンを解析することにある。今年度は撮像シーケンスの調整および解析環境の構築を行い、データ取得から解析までをスムーズに遂行できる環境を整えた。また、ファントムおよび健常被験者を対象として脳機能画像の精度調査を行い、安定性の検証を行った。3.0T MRI装置(SIEMENS Trio)および32ch ヘッドコイルを使って安静仰臥位で閉眼状態のrs-fMRIと刺激によるfMRIを測定した。脳代謝物の検討では、スペクトル分離とフィッティングの精度が重要であり、これらの改善に注力した。測定には3.0T MRI装置(SIEMENS Trio) を用い、7cm single channel surface coil(7cm_SC)および32ch matrix head coil(32ch)のコイルを使用し、ファントムを用いてパルスシーケンスの最適化を行った。選択的に原子核スピンを反転させ化学結合している原子核の磁化を反転させるシーケンスを用いて代謝物の信号を取得したが、生体脳では高分子の存在によって、特にγ-アミノ酪酸(GABA)等においての信号損失を招くことがある。ファントムとは異なる結果となることに対応するため、より生体に近い組成のファントムによってスペクトル処理の手法を改善する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スペクトロスコピーのキャリブレーションと解析環境の構築を重点的に行ったため、被験者を置いた実験に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
安静時脳機能画像による痛み関連ネットワークの抽出と治療による影響をMRIによって検出することを目的とし、rs-fMRIに加えてMRスペクトロスコピーによる脳代謝の変化を治療前後で検討する。慢性疼痛関連ネットワークと神経情報伝達物質の解析から疼痛関与のパターンを抽出するため、痛みの経緯やVASやODIスコアの段階に対応する変化に着目して検討を行う。痛み症状のある被験者は長時間同一の姿勢を保つ事が難しく、必要に応じて撮像シーケンスの高速化や固定具の作成を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)ボランティア実験に至らず謝金を必要としなかったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画)被験者謝金およびデータ処理依頼に対する謝金として使用する。また、ファントム作成のための薬品購入および封入材料の調達に充てる。
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