2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of 6-axis dynamic sitting balance device to prevent fall for elderly people
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17K10919
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
斉藤 公男 秋田大学, 医学部附属病院, 医員 (20566153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 洋一 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90162685)
巖見 武裕 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (10259806)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 体幹バランス / 座位バランス / バランス評価 / バランス訓練 / 転倒予防 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に,基礎となるバランス評価装置としての機能・精度検証を重点的に行った.体幹バランス評価尺度を統一し,安定した信頼性のある精度の高い体幹バランスを測定するため,外乱は一定方向での外乱を異なる方向で行う計測が望ましいと考えられた.信頼性試験を施行し,検者内信頼性は0.815,検者間信頼性は0.789であり,Flissらの判定基準によるとexellentであった.体幹バランス評価は定性的で再現性の低い評価が多く,定量的にかつ信頼性の高い評価ができる本装置の意義は大きい. 平成30年度は外乱下のバランス評価の質を高めるため,これまでの外乱負荷(前額面での傾斜運動)以外の外乱負荷下での体幹バランス測定を行い,体幹バランス評価のバリエーションを増やすこととした.過去の報告での体幹バランス評価に用いる外乱負荷は,傾斜運動の他に水平方向でスライドさせる外乱負荷の報告が多い.そこで傾斜運動を水平運動に変換するアタッチメントを設計・開発・製作した.本アタッチメントを既存装置に装着することで水平方向の外乱負荷を加えることが可能となった.今後,新しいアタッチメントを用いたバランス能力評価の信頼性やその特性を確認する予定である.また,本装置で測定した体幹バランスと,既存のバランス評価バッテリーであるBalance Evaluation Systems Test(BESTest)との関連性について検討した.高齢女性における動的体幹バランスを本装置で測定し,同時に測定したBESTestとの関連性について検討したところ,本装置で計測した体幹バランスとBESTestの総合点の間に有意な相関を認める結果を得た.本内容は,第2回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在は,体幹バランス評価装置としての精度検証,評価項目の検討を継続して行っている.これまで行ってきた傾斜運動の外乱負荷の他に,水平運動の外乱負荷を与えることができるアタッチメントを開発・製作したため,その精度や安全性の検証を行っている.また,既存の評価バッテリー(BESTest)との比較,関連性の検討も継続して行っており,その成果を発表している. 体幹バランス訓練機器としての使用のため,圧力中心点の移動を用いたゲーム性をもたせた訓練方法の開発も並行して行っている.ヘッドマウントディスプレイを使用し,VR上で本装置の外乱と連動させた体幹バランストレーニングゲームを開発中であり,今後報告する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
計測した各種外乱に対する動的座位バランス能力の相違を用いることによって,バランス保持能力の優劣の定量化や,トレーニングや加齢によるバランス保持能力の改善・劣化の判定可能性について検討する. また,異なる刺激パターン対するバランス能力を評価すると共に,歩行機能や易転倒性との関係を明確にし,転倒防止への実用的かつ効果的な介入方法について検討していく.さらに,臨床現場で幅広く利用されているFunctional Reach TestやTimed Up and Go Testなどの易転倒性検査を同時に実施することで,転倒リスクを抱えた高齢者の座位バランス能力と歩行機能との関係を明確にし,本人の転倒リスクのレベルや 訓練効果を高齢者にわかりやすく提示可能な座位バランス評価装置の実現を目指す予定である. 訓練装置としては,圧力中心点の移動を用いたゲーム性をもたせた訓練方法の開発も並行して行っており,今後,健常者で安全性について試験を行う.安全性が担保された後にVR技術を用い,訓練効果を高めることができるような開発を行う.
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Causes of Carryover |
既存装置に水平面のスライド;を加えることが可能となるアタッチメントを作成した.今後このアタッチメントの評価・精度検証を行う.また,VR技術を用いたゲーム性のある訓練装置としての開発も継続している.昨年度は発表が少ないため次年度使用額が生じたが,今後これまでの成果の学会報告,論文作成も並行して行う.以上について本研究費を次年度も使用させて頂く.
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Research Products
(2 results)