2018 Fiscal Year Research-status Report
ADAMTS10によるフィブリリン生合成促進を介した新規椎間板変性治療法の確立
Project/Area Number |
17K10924
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 優樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80722165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
松林 嘉孝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50747962)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ADAMTSファミリー / フィブリリン / 椎間板 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではロコモティブシンドロームの中核をなす疾患である椎間板変性およびそれに続発する変形性脊椎症を克服すべく、椎間板の機能維持および変性過程において重要な役割を果たす椎間板線維輪の基質の重要な構成要素のひとつであるフィブリリンに着目し、特にフィブリリンファイバーと相互作用することが知られている蛋白分解酵素ADAMTSファミリーが椎間板変性治療の新たな治療標的となる可能性に注目して、各実験を開始した。昨年度報告したように最初にフィブリリンと相互作用することが知られているADAMTS10およびその他のADAMTSファミリーについてスクリーニングを行い、ADAMTS10では目立った実績が上がっていないもののADAMTS10と同様にフィブリノパチーの原因遺伝子として知られているファミリー分子Xについて解析が進んでいる。これまでに本遺伝子Xがin vitroでフィブリリンの生合成を促進すること、また椎間板に発現し、フィブリリンと共局在することを見出している。また本遺伝子Xについてはfloxマウスの作出にも成功し、本floxマウスを用いてグローバルノックアウトマウスを作出し現在解析を進めているがこれまでに骨格の成長障害を呈すること、またフィブリノパチーとして矛盾しない全身表現型が得られることを確認している。本マウスで四肢及び脊柱の成長障害を来すことを見出し、現在四肢成長障害については結果をまとめ論文投稿中である。また現在本マウスの椎間板に関しての解析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述したとおり、当初想定したADAMTS10については解析が遅れているものの同時にスクリーニングを行ったそのほかのファミリー遺伝子であるXについては当初の仮説通りのフィブリリンの生合成促進による椎間板基質合成促進の傍証を得ており、本遺伝子Xについては遺伝子改変マウスの作出にも成功し現在論文投稿中である。椎間板に関しては引き続き表現型の解析を行っており、全体としてはおおむね順調な進捗状況であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、上述した通りおおむね順調に経過しているため現在着目している遺伝子Xについてはこのまま当初計画通りにノックアウトマウスの解析および椎間板への過剰発現MSCの移植実験などをすすめる予定としている。また当初メインに想定していたADAMTS10についても同様のストラテジーでこのまま解析を進めていく予定としている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:順調に研究が進んでいるため、必要以上に経費をかけずに済んだ。 次年度使用計画:in vivoの解析など、次年度以降の経費のかさむ実験に使用する計画である
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