2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K10925
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 雄亮 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40794772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 卓巳 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70436468)
矢野 文子 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80529040)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 靱帯骨化 / 骨化様式 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
東大病院で実施する脊椎手術において、切除する靭帯組織を回収した。骨化の有無は問わずに回収し、骨化の範囲が小さいものから大きいものまで幅広く揃え、骨化の進行に応じて段階的に比較検討を行った 回収したサンプルをパラフィン包埋した後に組織切片を作成した。作成した切片を用いて、H&E、Alcian Blue、 von Kossa、 Masson trichrome、 Safranin-O染色を行い、間葉系幹細胞マーカー(CD90、CD105)、軟骨細胞マーカー(Sox9)、腱細胞マーカー(Scx)、骨芽細胞マーカー(Runx2, Osx)、血管内皮細胞マーカー(CD31)を用いた免疫組織染色を重点的に実施し、靭帯が骨化していく過程でどのような細胞集団が観察されるかを調べた。特に、靭帯骨化の骨化様式について、間葉系細胞が軟骨細胞を経由して骨芽細胞に分化する形式と、間葉系細胞が直接骨芽細胞に分化する形式が確認でき、二通りの骨化様式が存在することを証明した。 また、前述の手術サンプルを用いてヒト靭帯組織からコラゲナーゼなどを用いて細胞を単離し、FACSを行うプロトコールを確立した。同様に回収した様々な靭帯サンプルから細胞を単離し、細胞の判定に有用であった抗体を用いてFACSを行い、細胞を回収した。回収した細胞からmRNAを回収してリアルタイムRT-PCRを行い、靱帯細胞と間葉系幹細胞の二群の細胞が存在することを示した。またソートした細胞の一部は凍結保存し、次年度以降の実験に用いる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の計画通りに実験は進行している。元々想定していた骨化様式が二種類存在すること示し、また靭帯組織から採取する細胞群をFACSで単離することに成功した。当初の予定ではマイクロアレイによる遺伝子発現プロファイルを調査する予定ではあったが、RT-PCRで代表的なマーカーを調べることによりバリデーションは十分であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、靭帯由来細胞を用いたシグナル応答解析を解析する。前述の経過で得られた細胞群に骨芽細胞への分化を担うと予想される液性因子を添加し、分化の程度を確認する。また、メカニカルストレスによる骨化への影響も調べる。当研究室で確立した細胞伸展装置を用い、細胞群にストレス負荷実験を行うことで細胞毎の影響の違いを明らかにする。 そして靭帯骨化を起こす要因を明らかにし、この骨化メカニズムを用いたマウス靱帯骨化モデルの作出を試みる。
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Causes of Carryover |
(理由)順調に研究が進んでいるため、必要以上に経費をかけずに済んだ (使用計画)in vivoの解析など、次年度以降の経費のかさむ実験に使用する計画である
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Research Products
(4 results)