2017 Fiscal Year Research-status Report
後縦靭帯骨化症における内軟骨性骨化に関与する因子とメカニカルストレスの影響の検討
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17K10928
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
杉田 大輔 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90596678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 秀明 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (10397276)
平井 貴之 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (30569132)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 後縦靱帯骨化症 / メカニカルストレス / インディアンヘッジホッグ / 異所性骨化 / マイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
頚椎後縦靱帯骨化症におけるメカニカルストレスが与える影響について検討するため、後縦靱帯骨化症の手術で得られた骨化巣を含んだ人体組織から薄切切片を作成してIhhとそのシグナリングの発現と局在を免疫組織科学的染色で検討した。また、得られた靱帯組織を郵送させて得た培養細胞に24時間の伸展ストレスを培養液内で添加してストレス負荷前後の培養細胞の遺伝子発現量の変化をマイクロアレイで評価した。Ihhとそのシグナリングの一部に遺伝子発現の上昇が見られたため、それらの遺伝子のタンパク発現量の変化についてもWestern Blotting法で評価を行った。免疫染色ではIhhは肥大軟骨細胞層で陽性細胞が多く観察され、Gli2、GLI3、Ptcd 1、SMOの発現は前肥大軟骨細胞層、肥大軟骨細胞層に発現の局在が見られた。また、Western Blotting法では、OPLL由来靱帯細胞ではメカニカルストレスの負荷によりIhh,、受容体のタンパク発現量の有意な増加が見られた。OPLLにおいてもIhhとその受容体の発現がみられたことはOPLL骨化巣進展にIhh とそのシグナリングが関与している可能性が示唆された。さらにIhh signalingの発現はメカニカルストレスが加わることによって亢進しており、この過剰な発現が骨化巣進展に関与している可能性が考えられた。これらの結果をまとめ、現在は海外の雑誌へ論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた一定の結果が得られ、現在はその結果をまとめて投稿中です。その点ではおおむね順調と考えます。しかしながら、Ihhの発現をブロックしたノックアウトマウスの作成にはまだ至っておらず全体の進捗としてはやや遅れ気味と考えます。
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Strategy for Future Research Activity |
IhhもしくはIhhシグナリングのどの遺伝子をノックアウトすることが骨化巣伸展の抑制を得られるかの仮説を立て、ノックアウトマウスを作成できればと考えています。
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Causes of Carryover |
補助事業の誠実な執行に努めた結果、当初計画より経費の使用が節約できたことにより未使用額が生じた。
当該未使用額を平成30年度に持ち越して追加の試薬・抗体・消耗品等購入する。
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