2017 Fiscal Year Research-status Report
人工関節インプラント周囲骨溶解における破骨細胞誘導機構の解明
Project/Area Number |
17K10957
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 美穂 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (40401385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 仁大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
堀内 尚紘 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (90598195)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人工関節 / 骨溶解 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人工関節インプラント周囲の骨溶解メカニズム解明に取り組み、骨溶解防止・治療に役立つマテリアルデザインに応用することを目指す。研究期間内に、インプラント周囲結合組織における異物反応に関与する細胞と、破骨細胞(骨基質分解)前駆細胞の細胞間コミュニケ―ションを明らかにする。また、周囲硬組織の骨質変化、インプラントの材料学的変化も明らかにする。平成29年度は、(1)インプラント周囲結合組織の病理組織学的解析、(2)インプラント周囲結合組織由来マクロファ-ジ系細胞の破骨細胞分化効率の比較検討(in vitro)、(3)インプラント周囲結合組織由来細胞(マクロファ-ジ・線維芽細胞)のサイトカイン分泌能(in vitro)を行った。(1) インプラント周囲結合組織の電子顕微鏡解析により、インプラント周囲に金属摩耗粉が存在していること、金属摩耗粉はチタンおよび酸化チタンであることが同定された。また、病理組織学的解析により、炎症性細胞が集積していることが確認された。(2)インプラント周囲結合組織より繊維芽細胞を分離し、摩耗粉を模倣したバイオマテリアル微粒子添加培養実験を開始した。また、関節リュウマチまたは変形性関節症患者由来の末梢血・骨髄由来単核球を分離し、分化能を比較検討したところ、由来組織により破骨細胞分化効率が異なることが見出された。(3) 関節リュウマチまたは変形性関節症患者由来の末梢血・骨髄由来単核球を分離し、破骨細胞分化過程において分泌するサイトカイン分泌能を比較検討したところ、特定のサイトカインが多く分泌されていることが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は研究計画のとおり進めることができた。また、研究成果について論文投稿することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度も研究計画書に従い、研究を進める予定である。具体的には、平成29年度に引き続き、インプラント周囲結合組織由来の線維芽細胞の破骨細胞分化誘導因子分泌能の検討、インプラント摩耗粉を模倣したバイオマテリアル微粒子添加による破骨細胞前駆細胞の破骨細胞分化効率、吸収機能効率、サイトカイン分泌能について検討を行う。また、インプラント周囲硬組織の骨質変化検討実験を開始する。
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Causes of Carryover |
実験補助者の雇用を予定していたが、別経費の雇用による補助者の労働にてまかなわれたため。次年度の細胞実験用試薬の購入を予定している。
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Research Products
(25 results)