2019 Fiscal Year Annual Research Report
Autophagy regulation for inhibition of metastasis in bone and soft tissue sarcoma
Project/Area Number |
17K10961
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
安田 剛敏 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (20377302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 昌彦 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (20204547)
鈴木 賀代 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (20456388)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨軟部腫瘍 / オートファジー / 転移 / プログラム死 |
Outline of Annual Research Achievements |
プログラム細胞死の一つの形態であるオートファジーと肉腫細胞の増殖および転移形成の関連性を把握し、オートファジー調節による新たな肉腫治療薬の臨床応用を目的に研究を遂行した。転移能の異なる骨肉腫細胞株 (Dunn:低肺転移株とLM8:高肺転移株)と未分化肉腫細胞株 (LM-RCT:低肺転移株とHM-RCT:高肺転移株)で、in vitroでのLC3とAtg5の発現は、高肺転移株で高い傾向を認め、肉腫細胞株におけるオートファジーの存在と高肺転移肉腫細胞株ではオートファジーが誘導される事を証明した。Atg5を中和抗体でブロックすることにより、高肺転移株と低肺転移株では増殖能に差は無いが、浸潤能と移動能は低下し、形態学的に細胞突起が形成されないことを確認した。これによって、オートファジー抑制により浸潤能や移動能は低下する。 次いで、In vivoでの高肺転移株を用いた原発巣、血液循環細胞 (circulating tumor cells; CTCs)、転移巣でのオートファジーの差異を、LC3とAtg5発現で経時的に検討した。その結果、原発巣の形成初期ではAtg5が高発現するが、肺転移が形成され始める移植後2週ではAtg5は減少していた。また、肺転移巣では、転移巣が増加・増大する3-6週では継時的にAtg5は増加していた。これらの事実より、原発巣や転移巣でのオートファジーは、初期の発生や生着の早期段階では抑制的に作用するが、一旦生着し急激に増殖する際には’’間引き’’のために促進的に働く。この原発巣と転移巣でのオートファジーの時間的、空間的違いが転移形成を規定し、転移能の違いになる可能性が示唆される。この結果より、肉腫でのオートファジー調整において新規の肺転移診断や治療法の確立につながる。
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