2017 Fiscal Year Research-status Report
進行期骨軟部肉腫に対する細胞外マトリックス制御による新規腫瘍免疫療法の開発
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17K10963
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浦川 浩 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60584753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 英介 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40612841)
生田 国大 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40732657)
西田 佳弘 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (50332698)
濱田 俊介 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90747289)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞外マトリックス / 免疫応答 / 免疫チェックポイント阻害剤 / ヒアルロン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、肉腫細胞におけるヒアルロン酸を中心とした細胞外マトリックス・細胞膜上受容体・細胞内シグナル伝達のネットワークと腫瘍免疫との関係を明らかにし、これらをターゲットとした新規免疫治療の確立および既存の免疫治療との併用効果を明らかとすることを目的としている。肉腫細胞におけるヒアルロン酸を中心とした細胞外マトリックス・細胞膜上受容体・細胞内シグナル伝達のネットワークと腫瘍免疫との関係を明らかにし、これらをターゲットとした新規免疫治療の確立および既存の免疫治療との併用効果を明らかにし、ヒアルロン酸ネットワークのへの影響を評価するため、(1) 骨軟部肉腫細胞株と腫瘍組織における免疫チェックポイント分子の発現、 (2) 骨軟部肉腫腫瘍組織におけるヒアルロン酸発現と免疫細胞浸潤、免疫チェックポイント分子発現、予後との関連の解析(3) 動物モデルにおける細胞外マトリックス制御による腫瘍免疫への影響、(4) 動物モデルにおける細胞外マトリックス制御による免疫チェックポイント阻害への影響についてそれぞれ検証する予定である。それらの検討を通して骨軟部腫瘍における新規免疫治療の開発を図る。現在(1)の骨軟部肉腫細胞株と腫瘍組織における免疫チェックポイント分子の発現について評価しており、(2)の骨軟部肉腫腫瘍組織におけるヒアルロン酸発現と免疫細胞浸潤、免疫チェックポイント分子発現、予後との関連の解析について準備を行っている。(3)の 動物モデルにおける細胞外マトリックス制御による腫瘍免疫への影響、と(4) の動物モデルにおける細胞外マトリックス制御による免疫チェックポイント阻害への影響についても次年度中に評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス骨肉腫細胞株(LM-8)、マウス肉腫細胞株(Sarcoma18)、ヒト骨肉腫細胞株(MG-63)、ヒト線維肉腫細胞株(FLYRD18)について、ヒアルロン酸合成酵素(HAS-1, -2, -3) 、ヒアルロニダーゼ(HYAL-1, -2, -3)のアイソフォーム発現、ヒアルロン酸の細胞膜上受容体(CD44, RHAMM)、Emmprinの発現解析やParticle Exclusion Assayにより同一培養条件下での細胞外マトリックスの評価を行った。加えて、各肉腫cell lineにおけるヒアルロン酸オリゴ糖、ヒアルロン酸合成阻害薬4-MUの影響をCell viability assay (MTT)、アポトーシス評価、HAS、ヒアルロン酸の細胞膜上受容体(CD44, RHAMM)発現への影響をreal time RT-PCRやウエスタンブロットにて解析した。これらの治療における各細胞株における細胞外マトリックスへの影響ついてParticle Exclusion Assay 、細胞自身のヒアルロン酸発現の影響をヒアルロン酸免疫染色を評価した。マウス抗PD-L1抗体をマウス細胞株に用いて同様の実験を行った。 現在、骨軟部肉腫腫瘍組織におけるヒアルロン酸発現と免疫細胞浸潤、免疫チェックポイント分子発現、予後との関連の解析の準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの、基礎実験の結果を踏まえて、ヒアルロン酸を中心とした細胞外マトリックスの制御に焦点を当て、免疫チェックポイント阻害薬との併用などの新しい治療戦略の開発を行うため、現在準備している骨軟部肉腫腫瘍組織におけるヒアルロン酸発現と免疫細胞浸潤、免疫チェックポイント分子発現、予後との関連の解析に加え、動物モデルにおける細胞外マトリックス制御による腫瘍免疫への影響、動物モデルにおける細胞外マトリックス制御による免疫チェックポイント阻害への影響についてそれぞれ検証する。
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Causes of Carryover |
マウス肉腫細胞株の同種移植モデルを用いてヒアルロン酸-受容体結合を阻害する低分子ヒアルロン酸オリゴ糖投与、ヒアルロン酸合成酵素の阻害剤である4-MU、ヒアルロニダーゼの投与による腫瘍組織のヒアルロン酸発現、ヒアルロン酸合成酵素発現、ヒアルロン酸レセプター発現、血管形成、免疫チェックポイント分子発現への影響を免疫染色、Western blotにより評価を行う予定であったが遅れたため、次年度使用額が生じた。今後の使用計画として、マウスの同種移植モデルを用い、低分子ヒアルロン酸オリゴ糖投与、4-MUによる腫瘍組織のヒアルロン酸発現、ヒアルロン酸合成酵素発現、ヒアルロン酸レセプター発現、血管形成、免疫チェックポイント分子発現への影響を免疫染色、Western blotにより評価するため、マウス購入費用、薬剤の費用、抗体等購入費用に研究費を使用する。2) ヒト骨軟部肉腫腫瘍組織を用いた研究のための抗体および試薬に対して研究費を使用する。3)研究結果の発表に関連する学会および論文校正費用、また研究に関連する書籍購入費用に研究費を使用する。
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